アート・ゲームとはアメリカ生まれの美術鑑賞教育の手法です。ゲームの要素を取り入れ遊び楽しみながら、作品に親しみ、作品の細部をみる習慣が身につきます。ここではゲームの一部を紹介しますが、実践例のように、工夫しだいで先生または子どもたちが新しいゲームを作り出すことができます。アート・ゲームは美術教育だけでなく、参加者のコミュニケーション能力を高めるツールとしての活用効果も高いと言われています。以下、いくつかの例を紹介しますが、すべて滋賀県立近代美術館ボランティアスタッフが編集した《「アート・ゲーム」の手引き》を参考にしました。記して感謝の意を表します。

絵合わせゲーム(マッチング)ゲーム
用意するもの: ○アートカード(60枚すべて)
適した人数
:5〜7人
進行: (1)トランプを配る要領で、参加者全員にカードを5枚ずつ配ります。配られたカードは他人に見せてはいけ
ません。
(2)残ったカードを全員の中央に、束ねたまま裏返して置きます(これが山札です)。山札のカードを上から
一枚引き、表を向けてみんなによく見えるように、場の中央に置きます。
(3)参加者は順番に、自分の持ちカードの中から一枚抜いて、先ほど場に置いたカードの横に並べて行き
ます。ただし、出せるカードは必ず、直前に出されたカードと何らかの共通点を持ったものでなくてはなりません。例えば「2枚とも人間が描いてある」「2枚とも赤色がたくさん使ってある」「2枚とも彫刻である」「2枚とも犬がいる」といったぐあいに。カードを出すときは必ず、どんな共通点があるのかをみんなに説明し、みんなに納得してもらう必要があります。他の参加者は納得したら拍手してあげましょう。

形容詞ゲーム
用意するもの: ○ アートカード(60枚すべて)
○ 「あたたかい」「こわい」等の形容詞が記入された、短冊状のカード
○ 付せん
○ 模造紙
進行: (1)参加者の前にアートカードを、自由に手に取れるように広げてまきます。
(2)カードの中から、「あたたかい」および「こわい」という形容詞に該当すると思うカードを各自選んでもら
い、当てはまると思う理由を付せんに書いてカードに貼ってもらいます。さらにそのカードを、「あたたかいコーナー」と「こわいコーナー」に分けられた模造紙の、該当するコーナーに貼り付けてもらいます。
(3)「あたたかい」「こわい」の両方を選び終わった参加者は、別に用意された形容詞カード(やさしい、い
たい、たのしい、さむい、かわいい等約20個用意しておくこと)をクジで引き、その形容詞に当てはまる、別の作品を選んでもらうと良いでしょう。
(4)全員の作業が終わったら、「あたたかいコーナー」や「こわいコーナー」にどんな作品がはられているか、
その作品が選ばれた理由は何か、お互いにゆっくり観察し、寸評しあいましょう。

お話づくりゲーム
用意するもの: ○アートカード(60枚すべて)
進行: (1)アートカードを裏に向けたまま、場に大きく広げます(参加者の年齢等によっては、表を向けたままでも
良いでしょう)。
(2)参加者は順番に、場のカードからランダムに3枚引いて表を向け、その3枚をうまく組み合わせて「お話」
を即興で作り、みんなに披露します。作品の背景や細部などにこだわる必要はまったくありません。強引でも良いから、面白いストーリーを作ってください。
(3)使用したカードは再び裏返して、場に戻します。場のカードをその都度シャッフルしても良いでしょう。

あなたに捧げるこの作品 ゲーム
用意するもの: ○アートカード(60枚すべて)
○「この人に捧げる」相手を書いたカード(約20枚)
進行: (1)作品カードを表に向けて、すべて場に広げます。その真ん中に「作品を捧げる相手」のカードをシャッフ
ルして重ねたものを、裏返して置きます。
(2)参加者は「作品を捧げるカード」を順に1枚ずつ引き、場に広げられたカードの中から、捧げる相手にふ
さわしいカードを選びます。その作品をみんなに見せ、相手にどうふさわしいのか、なぜ相手にこの作品を見せたいか、説明してもらいます。「相手のイメージに合っているから」でも、「相手にはこの作品のようなものが欠けているから見せてあげたい」でも、理由は何でも構いません。
(3)ちなみに作品を捧げる相手として、こんな例があります。「原始人」「漫才師」「赤ん坊」「忍者」「天使」
「軍人」「怪盗」「カッパ」「海賊」「ご隠居」「犬」「じゃじゃ馬の金持ち娘」「ガミガミ親父」「仕事の鬼」「ドラ猫」「あまのじゃく」「意地悪ばあさん」「悪魔」「夢想家」「人魚」「ドラキュラ」「天才科学者」「政治家」「お調子者」「アクションスター」「怠け者」「魔女」「守銭奴」「正義のヒーロー」「冒険家」「頑固な職人」「ガキ大将」「独裁者」「野球選手」「スパイ」「恋する二人」「猿回しの猿」「火星人」