名古屋市美術館のディティール①

名古屋市美術館には鳥居があります。銀色に光っています。

この建物を設計した黒川紀章は、歴史と未来の共生、西欧と日本の文化の共生を目指したとのこと。その意味で、この鳥居は象徴的といえるかもしれません。

美術館の一角にしつらえられた、神聖なスポットです。

ちなみに、手前に写っている鉄の物体は、黒川紀章のテトラユニット。大阪万博の時に東芝IHI館の建物のパーツとして使用したものです。

 

 

ディティール1

 

 

投稿者:AN

 

誰もが美術を楽しめるように

今年の41日から「障害者差別解消法」(正式名称「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」) が施行されました。「この法律は、障害のある人への差別をなくすことで、障害のある人もない人も共に生きる社会をつくることを目ざしています。」(「障害者差別解消法リーフレット(わかりやすい版)」、内閣府発行より)という趣旨で作られました。

 

この法律は、役所や会社、お店などに向けられたもので、個人に直接向けられたものではありません。この法律では「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮をしないこと」が差別とされています。「不当な差別的取扱い」は役所も会社やお店も等しくしてはいけないことになっており、「合理的配慮をしないこと」は、役所はしてはいけないが、会社やお店はしないように努力することとなっています。

 

名古屋市美術館は名古屋市の直営施設であるため、役所の一部ということになり、障害のある人へ「合理的配慮をしないこと」はしてはいけないことになります。

 

先日、同じく直営の公立美術館の学芸員と話す機会があり、この法律が話題となり、他館の状況や認識を教えていただくこととなりました。

 

美術館はこれまでにも障害のある方への差別や不便である状況を改善する取り組みを、それぞれ行ってきています。それでも、美術館には、障害のある方への差別的状況が残念ながらたくさん残されています。「合理的配慮をしないこと」はしてはならないけれど、施設改修をはじめとする物理的改善のための予算もなく、もっと内容にかかわる部分を手当てする人員の余裕もないなかで、どうしたらよいのだろうという困惑がこの法律を真摯に受け止めている館ほど大きいように私には感じられました。

 

差別的な状況を、気づいたところやできるところから改善していくことは言うまでもありませんが、この法律の施行に当たっては、障害のある人から対応を求められたときに、重すぎる負担の場合は重すぎる理由を説明し、別の対応を提案することも含めて、当事者が話し会い、理解を得るよう努めることが大切だと説かれています。現実には、障害のある方が美術館を利用することは、以前に比べれば増えたものの、いまだ多くはありません。その意味では、障害のある方も我々美術館の人間も、そして障害のない利用者のみなさんも含めて、お互い分からないことの方がまだ多いように思います。

 

失敗や衝突はあるかもしれないけれど、不安に怯えることなく、ひとつひとつ問題を解決していくこと。それが、望む人の誰でもが美術館を楽しみ、美術を楽しむことができるようになるために必要とされていることではないかという気がします。たやすいことではありませんが、良い機会とこれを前向きに捉えることが大切だと思えます。みなさまにも関心を持っていただき、寛容にお力添えいただければと思います。

 

投稿者: み。

 

「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」開会式

 4月28日、「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」の開会式が行われました。

 開会式には、名古屋市長・名古屋市会議長をはじめ、中日新聞社社長、NHK名古屋放送局局長、藤田家のご遺族の方、名古屋市会ランス市訪問団の皆様等たくさんの方々にご臨席いただきました。

 DSC_7213

  

 フランスからお越しいただいたカトリーヌ・ドゥロ ランス美術館長にも、ご挨拶をいただきました。

 

 DSC_7234

 

 「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」は、名古屋市美術館とランス美術館との交流事業として行う初めての展覧会です。

 藤田家のご遺族より、ランス市に寄贈された未公開の作品をはじめ、国内外の代表作約150点により、東西の文化の上に花開いた藤田嗣治の芸術の神髄を紹介するものです。

 

 DSC_7271

 

 7月3日まで開催しておりますので、みなさまお誘い合わせの上、ぜひお越しください。

 

麗しきおもかげ展あとがき

 「東京藝術大学コレクション 麗しきおもかげ 日本近代美術の女性像」展が終わりました。

 

「展覧会は始まると、すぐ終わる」というのは学芸員のあるある(・・・・)なのですが、撤収作業の途中、ふと彫刻作品が乗っていた空の展示台を見ると、「宴の跡」を実感させられます。

 

 

2016年419日 企画展示室1にて 

()

2016 HP図版原稿2

 

 

 

 

美術館にニセ藤田現る。

429日(金・祝)より開催の「生誕130年記念  藤田嗣治展  東と西を結ぶ絵画」を控え、当館では鋭意広報を行っているところでありますが、45日付中日新聞の夕刊に、このような記事が掲載されました。

 「藤田嗣治さんですか?いえ美術館職員です おかっぱ 丸眼鏡…“完全コピー”」

記事へのリンク:

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016040502000231.html

(同様の記事は48日付の東京新聞にも掲載されました)

 筆者がここで紹介いただいた職員なのですが、一面のトップ記事で紹介していただくという事態に驚きを隠せないでおります。

「藤田嗣治より某芸人さんの方が似ているのではないか?」というご意見を多く頂戴しており、その点に関しては反論の余地もないところではありますが、職員一同さまざまな方法で展覧会の広報に当たっておりますので、その点ご理解をいただければ幸いに存じます。

 もし、この記事や筆者のスタイルにご興味をお持ちいただいた方がいらっしゃれば、ぜひ各種SNS等でご紹介ください。

 

珍客。

当館は白川公園内にありますので、公園内を散策していますと種々の生き物に出会うことがあります。

今の時期は姿こそあまり見えませんが、ウグイスの鳴き声が聞こえてくることがあります。

そんなウグイスの鳴き声を聞きながらふと思い出したお話を。

 

もう昨年の話になりますが、当館の南側にある池に、こんな珍客がやってきました。

 ブログ_珍客_画像

 ウ です。

まるで墨に彫刻を施したかのような姿かたちについ見とれてしまいました。

カワウでしょうか?ウミウでしょうか?

鳥にあまり詳しくない筆者には分かりませんでしたが、名古屋の真ん中、白川公園内の美術館をバックに佇む、ウ。

撮影のために近寄ってみましたが、逃げません。

間違いなく野生のウですが、逃げません。

「何だコイツ?」という目をしながらジリジリと遠ざかってはいきましたが…

せっかくのご来館の邪魔をしてはいけないので、撮影のみで退散しました。

 

このような珍客はあまり来ないにせよ、美術館の敷地内でもさまざまな生き物を見ることができます。

季節の移り変わりに思いをはせながら、その時々の自然とともに美術鑑賞を楽しまれてはいかがでしょうか?

ボランティア登録証授与式

4月9日に、美術館講堂において、ボランティア登録書授与式を行いました。

昨年度に引き続き、名古屋市美術館でボランティア活動を行っていただく5期から8期の方73名に対して、横井館長からお一人ずつ登録証をお渡ししました。これで今年度から新たに9期の方22名が加わり、名古屋市美術館のボランティアは総勢95名となりました。

最後に、館長より市の財政状況が厳しい折、来年度から予定する改修工事に向けた調査に関する予算が組まれたことに触れ、美術館としても皆様の期待に精一杯応えていきたいとあいさつしました。さらに、429日から始まる藤田嗣治展について、中日新聞にも大きく取り上げられたことを紹介し、皆様には美術鑑賞の楽しさをお客様にお伝えする美術館の大きな一助になっていただきたいと、感謝と労いの言葉をかけました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

「東京藝術大学コレクション 麗しきおもかげ 日本近代美術の女性像」開会式

    34日、「東京藝術大学コレクション 麗しきおもかげ 日本近代美術の女性像」の開会式が行われました。

芸大展開会式ブログ写真(1)

芸大展開会式ブログ写真(2)

東京藝術大学は1887(明治20)年開学の東京美術学校を前身とし、1949(昭和24)年に創立され、日本の近現代における美術文化の創造に貢献してきました。特に幕末から明治にかけて、日本社会の近代化が急速に進められるなかで、日本美術の伝統を継承しながら、西洋美術の真髄を移植することを主要な課題として、数多くの美術家を輩出してきました。

本展では、第1部として、東京藝術大学コレクションの50点に、名古屋市美術館所蔵の11点を加え、計61点の作品により、日本の近代美術における女性像の変遷を紹介します。高橋由一の《美人(花魁)》や狩野芳崖《悲母観音》から、憧れの西洋女性の肖像、明治・大正・昭和三代を生きた日本女性の肖像に至る多彩な女性像を紹介します。

また、第2部では、東京美術学校日本画科の卒業制作から女性像を描いた40点を初めて特集して紹介します。画壇の流行に敏感な画学生たちが、渾身の力を込めて制作した処女作には、若い情熱に溢れた斬新で魅力的な作品が揃っています。

 

かつて美術家たちが愛し描いた女性の「麗しきおもかげ」は、今の私たちの視線も魅了してくれることでしょう。新しい作品との出会いにご期待ください。

芸大展開会式ブログ写真(3)

 

東京藝術大学コレクション 麗しきおもかげ 日本近代美術の女性像」は417日まで開催しております。みなさまお誘い合わせの上、ぜひお越しください!

まだまだつづく若林奮展

 年が改まったと思っていたら、早くも1月が終わりそうです。19日から「若林奮 飛葉と振動」展が4つめの会場である府中市美術館ではじまりました。昨年末NHK Eテレの「日曜美術館」で紹介されたこともあり、少しずつですが、みなさまに関心を持っていただけるようになってきました。最終会場のうらわ美術館の終了までまだしばらくありますが、ひとりでも多くのみなさまにご覧いただければと思っています。

 

 若林展の2つめの会場だった足利市立美術館の江尻潔学芸員が、昨年末、第27倫雅美術奨励賞(美術評論部門)を「スサノオの到来―いのち、いかり、いのり」展の企画および図録執筆論文で受賞しました。スサノオ展には若林の作品も出品されています。若林展の作品調査の折、江尻さんはスサノオ展の観点からも作品の選定を行っていました。スサノオがらみの説明や解釈を聞き、出品調整をしと、一緒に作業したこともあり、他の場合よりも親近感を持ちました。

 

 第27倫雅美術奨励賞では、美術史研究部門で「赤瀬川原平の芸術原論展―1960年代から現在まで」が受賞しています。赤瀬川原平は当館にとっても重要な作家であり、受賞の展覧会にも所蔵作品を貸し出しています。また、前年の26倫雅美術奨励賞(美術評論部門)では、当館にも巡回した「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界」が受賞しています。当館の日頃の活動が幾分かでもこれらの受賞に益するところがあったとすれば幸いです。

 

投稿者: み。

「ポジション2016 アートとクラフトの蜜月」開会式

1月4日、「ポジション2016 アートとクラフトの蜜月」展の開会式が行われました。

1

 

 開会式には、出品作家の稲葉佳子さん、徳田吉美さん、中谷ゆうこさん、水谷一子さん、水野誠子さん、米山より子さん、KIM HONOさんにお越しいただきました。

出品作家の皆様には、1月10日(日曜日)に自らの作品と制作について語っていただくギャラリートークにも参加していただきます。

2

 

ポジション展は、この地方で活躍する作家の作品を紹介する展覧会です。5回目となる今回は、「アートとクラフト」を採り上げます。アートとクラフトはそれぞれ違う個性を持っていますが、近年、それらが融合することにより、新たな魅力ある世界が生み出されています。その豊かな可能性を感じとっていただきたいと思います。

 

 3

 

「ポジション2016 アートとクラフトの蜜月」展は2月21日(日曜日)まで開催しております。みなさまお誘い合わせの上、ぜひお越しください。