はじめての美術 絵本原画の世界2013

新年度です。開館25周年を記念する「上村松園展」(会期: 4月20日[土]~6月2日[日])ではじまる今年度の名古屋市美術館の特別展。二番手は「はじめての美術 絵本原画の世界2013」(会期:6月15日[土]~7月21日[日])です。ポスターやチラシが、そろそろ皆様の目に触れはじめているのではないかと思います。

この展覧会では、宮城県美術館の絵本原画コレクションから選りすぐった作品をご紹介します。宮城県美術館の絵本原画コレクションは、福音館書店の1956年創刊の月刊絵本「こどものとも」を核としており、出品作品には、『おおきなかぶ』や『ぐりとぐら』、『はじめてのおつかい』など、今日まで読みつがれている日本を代表する名作絵本の数々が含まれています。タイトルを見聞きするだけで懐かしくなりますが、中身は絵本原画に備わった美術表現としての魅力をご紹介するいたって硬派なものです。

小さな子どもにとって、「読み聞かせ」はとても大切です。おとなに文字を読んでもらうことで子どもは絵本の絵に視線を集中し、物語を声として聞きながら描かれている世界を楽しむことができます。文字を読むことで絵を見ることがおろそかになりがちな私たちおとなに、文字のない絵本原画は、もう一度子どものときのように描かれた世界に遊ぶ楽しみをもたらしてくれます。優れた絵本原画は、そこに表わされた物語を具体的な言葉として想起させる力さえ持っています。

絵本原画の魅力のひとつをご紹介しましたが、絵を描いた作家たちは、多くの場合、文字で表わされた物語を託され、それを基に絵を描いています。絵にするときに、作家一人ひとりの想像力と創造力が働いているわけです。

シンガーソングライターとして一世を風靡し、今ジャズピアニストとして活動されている大江千里さんのアルバムに「うんとこしょ どっこいしょ」(2007年5月2日発売)があります。これは、絵本に曲をつけ、物語を朗読したもので、今回の出品作品では先述の3つと『そらいろのたね』が含まれています。絵本にインスパイアされたオリジナルの楽曲なので、純粋に言葉と向き合うことにはなりませんが、原画を見るときとは逆に物語の光景を思い描きながら楽しむことができます。

展覧会の関連催事では、音楽家の野村誠さんに会場で作品を見ながら鍵盤ハーモニカの即興演奏をしていただきます。造形ワークショップや記念講演会などもありますので、展覧会とあわせてご参加ください。

投稿者:み。

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