ポジション展 アーティスト紹介~大﨑のぶゆき

今日は、大﨑のぶゆきさんを紹介したいと思います。


《Shining mountain/Climbing the World II》2011-2012

真っ暗なお部屋の中に、巨大な画面が!画面には、山の映像が投影され、巨大な3面のスクリーンも、連なる山のようにもみえます。そして、スクリーンに映し出された映像をじっと見ていると・・・。

だんだんと溶けていくのです!しかも、溶けていくと同時に山に登っている人たちが、ひとりまたひとりと落ちていってしまいます。


溶けていく途中


溶ける前の画面

そして、しばらくすると、突然最初の画面に戻ります。

いったい、どういうことなのでしょう?

大﨑のぶゆきさんは、ご自身が見ている世界について感じること、そして、ご自身が存在しているという感覚について、問い直すということを作品化されているとおっしゃいます。
つまり、今自分がここにいるということはどういうことなのか、今自分が見ている世界は本当なのかどうなのかといった、今この時代にこの世の中に生きていることについての問いを作品に込めていらっしゃるというようにも言えると思います。

イメージが溶けていく映像を見ているのは、とても不思議な感覚です。自分が見ているものが、だんだんぼやけて来て、自分自身が見ているものそのものがゆらいでいくようにも感じてきます。

大﨑さんは、インタビューでこうおっしゃっていました。
「僕の作品でイメージが溶けていくことは、「今見ている世界は本当なの?」という問いかけでもあるのです」(ポジション展カタログP.40)

私たちが生きている現代の社会は、めまぐるしく変わる世の中のような気がします。将来の設計図も簡単に描けないぐらい将来も不確かだし、様々なメディアによってもたらされる情報は膨大で何が本当のことかもよくわからない、とても不安定な世の中だと思います。大﨑さんの作品は、そこに生きる私たちの感覚を代弁してくれているように感じます。

そして、じーっと溶けていくイメージを見ると、ぱっと元のイメージに戻ります。元のイメージが突然現れることで、最初のイメージが自分の頭の中で変容してしまったことにも気づきます。大﨑さんにとって、このように元のイメージを新たに見ることでそのイメージの変容について気づくことがとても大切なのだそうです。自分の記憶の不確かさを感じるということや、はじめと終わりといったことに縛られることがないことが重要なのだそうです。

また、ポジション展では、映像作品《Shining mountain/Climbing the World II》だけではなく、オブジェや写真など、大﨑さんの作品世界が堪能できます。大﨑さんの作品や制作の秘密について、直接お話をお伺いすることができる、アーティストトークは、7月14日午前11時からポジション展会場内で行われます(ポジション展入場券が必要になります)。作家さんから、直接お話をお伺いするだけではなく、制作のことについて質問をしたり、直接お話することができるまたとない機会です。ぜひともみなさまお越しください!

今回の展覧会に合わせて、大﨑さんは6月3日に「溶ける絵画 water drawing 水面に広がる不確かな世界」というタイトルでワークショップを開催されました。

このワークショップでは、大﨑さんの作品に登場する溶ける絵のイメージを制作する体験をしました。今回の作品の制作方法とは少し違うようですが、自分で描いたイメージが広がり、溶けて、ばらばらになる様子を体験することができ、大﨑さんの作品の秘密を少し共有できたような気がします。

ワークショップの様子と、その時に参加してくださったみなさんが制作した作品は会場でもご紹介しています。展示室1Fから2Fに上る階段の途中でご覧になることができます。

また、大﨑さんの作品は、現在東京でもご覧いただけます。
7月7日から8月11日 YUKA TSURUNO
http://yukatsuruno.com/exhibitions.html

ポジション展も、会期のこりわずかとなりましたが、最終週末はアーティストトークはじめイベントも盛りだくさんです。

みなさま、どうぞお見逃しなきよう! 美術館でお待ちしております!

投稿者:hina

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