春の足音

 

立春が過ぎ、歴史的大寒波を乗り越えて、ようやく梅の咲くころとなりました。陽射しも日に日にあたたかくなって、ああもう春が近いんだな、と感じる今日このごろです。

私にとってこの季節は、春の足音とともに、色々な締切の足音が同時に聞こえてくる季節です。というのも、たまたまではありますが、これまでにも4月はじまりの展覧会を担当することがなぜか多かったからです。

展覧会のオープンに向けて、カタログの校正作業をしたり、展示室内のディスプレイの計画を立てたり、さまざまな広報物のチェックをしたりと、するべきことが増えていきます。ただ忙しくなる、というわけではなくて、少しずつ展覧会の完成形が見えてくるので、大変だけれどわくわくする時間でもあります。少々語弊があるかもしれませんが、3か月間毎日前夜祭をしているような感覚です。

ただいま、「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」展(4月9日[火]開幕)を準備中です。本展の中心となる印象派の作品には、明るい色彩に満ちたおだやかな風景画がたくさんあり、眺めているだけで春らしい気分を味わえます。本展の看板をはっているのは、ルノワール作《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》(1887年)。10歳のあどけない女の子ですが、どこか意志の強さを感じさせる青いひとみが印象的です。デスクの前に貼ったポスターから、シュザンヌがこちらをじっと見つめてくるので、ああ、今日中にあれもこれも確認しなきゃ、メールも返さなきゃ、と焦りながら仕事をしています。開幕まであと少し。多くのお客さまにご覧いただける展覧会になることを祈っています。(haru)

 

ピエール・オーギュスト・ルノワール《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》

1887年 パステル/紙 吉野石膏コレクション

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