名古屋市美術館開館30周年記念特別展「辰野登恵子 ON PAPERS:A Retrospective 1969-2012」開会式・内覧会

2月15日、名古屋市美術館開館30周年記念特別展「辰野登恵子 ON PAPERS: A Retrospective 1969-2012」の開会式及び内覧会が行われました。

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開会式には、主催者の名古屋市美術館及び中日新聞社の関係者の他に、辰野登恵子様のお姉様である平出利恵子様と、姪御様の平出加菜子様にご臨席いただきました。

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当日は、晴天に恵まれたこともあり、大変多くの方にご来場いただき、内覧会も賑わいました。

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辰野登恵子(1950-2014)は、長野県岡谷市に生まれ、日本の現代美術における絵画の潮流に影響を与えた画家のひとりです。東京藝術大学に学んだ後、1970年代にドット(点)やグリッド(格子)、ストライプなどの規則的なパターンを用いた版画を発表し、若くして注目を集めました。ほどなくして表現手法を油彩に移すと、それまでの理知的で抑制された表現とは対照的に、豊かな色彩で有機的な形象のある絵画空間を追い求め、亡くなるまで自らの作品世界を深化させ続けました。1995年には東京国立近代美術館で当時最年少、かつ存命の女性作家として初めての個展を開催しています。

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今回の展覧会では版画やドローイングなど紙の上の表現に光を当て、大型の油彩が高く評価された辰野の画業を再検証します。初期のシルクスクリーンによるコンセプチュアルな作品に限らず、油彩の制作を本格的に始めてからも、彼女はそれと並行してエッチングや木版、リトグラフなどさまざまな版種による版画制作に取り組んでいました。油彩での試みを版画で追体験する、あるいは版の仕事での成果を油彩に反映させるなどの往還によって、辰野が創作の幅や深みを増していったことが想像できます。また、油絵具やパステルによる大型のドローイングは、単なる下絵の域を超え、画家にとって重要な実験の場となっていたこともうかがえます。

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画家の死後、初めて巡回開催される回顧展でもある本展は、これまでまとまった展観の機会が限られてきた紙の仕事を中心に、油彩30点を含む約220点の作品で構成します。辰野登恵子の40年余りにわたる軌跡に新たな視座を与えてくれるはずです。

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本展は、3月31日まで開催いたします。是非名古屋市美術館に足をお運びください。

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