野外彫刻のひとりごと③

 

私は、《魂》と名付けられた石の彫刻である。

 

イサム・ノグチ氏の香川県高松市牟礼のアトリエで生み出された。

 

私は、名古屋市美術館の裏庭の池をのぞむ場所に、ひとりポツンと立っている。

 

裏庭には時折人々がやってくるが、大概は静かなものである。

 

ノグチ氏が私を《魂》と名付けたのは、何故なのだろうか。

 

実際のところ、魂というものがどのような形をしているか

 

誰も見たこともないだろう。

 

ノグチ氏にとっては、魂はこのような形に思えていたのだろうか。

 

私は来る日も来る日も美術館の裏庭に立ち続け、

 

いささかくたびれてきた。

 

しかしここにいると、裏庭の四季の移り変わりを見ることが出来る。

 

楽しみもまた、あるのだ。

イサム・ノグチ1

 

イサム・ノグチ2

 

*イサム・ノグチ《魂》1982年 安山岩

 イサム・ノグチは津島市出身の詩人野口米次郎とアメリカ人女性との間に生まれました。日本とアメリカという二つの祖国を持つ彼は、スケールの大きな彫刻作品やモニュメント、庭園などを制作し、「大地を彫刻した男」と呼ばれることもあります。この作品は小ぶりなものですが、無駄なものをそぎ落としたすっきりとした造形に、イサム・ノグチの類まれなセンスが光っています。この彫刻は、名古屋市美術館の南側にある庭に立っています。

 

投稿者:AN

 

 

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