美術館を支えるのはやっぱりコレクションでしょう

7月中旬になるというのに、毎日小雨が降り続け、涼しいのを通り越して寒さすら感じるパリからお届けします。

フランスに出張して5日になりますが思わぬ寒さにびっくり。気温は最高で17~8度という毎日で、街をゆく人の中にはダウン・ジャケットを着ている人まで出る始末です。エッフェル塔も頭の先が雨雲に隠れています。
雨に煙るエッフェル塔

日曜の朝、オランジュリー美術館を目指してコンコルド広場にやってくると、いつもと様子が一変。
いつもと違うコンコルド広場

そうです明日7月14日はバスティーユ監獄を民衆が襲撃したことに始めるフランス革命の記念日。フランスにとっては最も大切な祝日ということで、コンコルド広場を含むシャンゼリゼ通りでは、大規模なパレードが行われ、それを観閲するためのスタンドが急遽できあがっていました。

さて、いつもは開館前から大行列のオランジュリー美術館も、今日は日曜の朝のせいか、それとも小雨降る天気のせいか、並ぶこともなく、すぐに館内へ。モネの睡蓮の大壁画が並ぶ部屋は残念ながら撮影禁止ですが、他の常設展示は写真が撮れます。入口の近くにはルノワールの作品がずらっと一列に並んでいますが、その先の方の突き当たりの壁に何やら見覚えのある作品が。
オランジュリー美術館(1)

近づいて見るとやっぱりそうでした。日本テレビが所有しているルノワール晩年の代表作の一つ《闘牛士姿のアンブロワーズ・ヴォラールの肖像》でした。
オランジュリー美術館(2)

なぜこの作品がこんなところに、と思って隣の解説パネルを読むと事情が判明。先頃まで東京の森美術館で開催され、まもなく7月19日から大阪で始まる「こども展」(日本テレビ他が主催)のお返しとして、オランジュリー美術館に貸し出されていたのです。「こども展」はオランジュリー美術館とオルセー美術館の作品を中心に構成されており、たくさんの作品を借りたお礼に日本のルノワールをお貸ししたわけです。こういう例は展覧会を開催するとき珍しいことではありません。やはりお互いギブ・アンド・テイク。大切な作品を借りたいと思ったら、自分も大切なものを差し出さないといけません。つまり、いい展覧会を開くためには、いいコレクションがないといけません。やはり美術館の基本はコレクションですね。

投稿者:F

コメントは受け付けていません。