月別アーカイブ: 2013年8月

あいちトリエンナーレ開幕!

あいちトリエンナーレが開幕しました!

名古屋市美術館は、普段とは少し違う空間に生まれ変わっています。

まず、入り口がいつもの正面玄関ではなく、南側にまわっていただいて、庭の方から入るようになっています。これだけでも、なんだかわくわくします。

1階の展示室に入ると、アルフレッド・ジャーさんの作品が出迎えます。
まず、前方の暗闇に、インスタレーションが見えてきます。近付いてみると、チョークです!色とりどりのチョークがアクリルボックスに入っています。ライトで照らし出されたチョークはなんともいえない美しさです。その左右の展示室を見ると、12枚の黒板があります。石巻の被災地から持ってきた黒板は、生徒たちの日常を思わせます。黒板には「生ましめんかな」の文字が浮かび上がります。

ジャー

さらに進むと韓国の女性作家イ・ブルさんの作品が吊ってあります。建築からインスピレーションを受けたという作品はキラキラと光っています。天窓からの光も受けて、明るい印象の作品です。

次に、螺旋階段を登って2階に出ると、そこは、1階とはがらりと違う白と色とりどりのパステルカラーの世界。杉戸洋さんの作品です。外は灼熱の暑さですが、杉戸さんの空間には涼しい風が吹いているようです。心地よい気持ちになる空間です。

杉戸

杉戸さんの展示の奥にあるのは、ワリッド・ラードさんの写真作品です。ベイルートに住んでいた彼が15歳の時にイスラエル軍の侵攻を撮影し、その古いフィルムを20年後に現像して作品にしたものだそうです。

2階の展示を観終わったら、普段は非常口としているドアを開けて、外に出ます。そして、裏手の庭に降ります。庭にはさまざまな彫刻がありますのでそれを楽しみながら、今度は、藤森照信さんの「空飛ぶ泥舟」のところへ。この舟に乗るには、予約が必要です。午前9:30から泥舟の下で予約券を配布していますので、展覧会のチケットを提示して予約券をゲットしてください。泥舟はお茶室ですので、中には釜を置く炉もあります。梯子を登るのは少し怖いのですが、中に入るととても気持ち良い体験ができます。

さて、美術館正面の方に再びまわってくると、すり鉢状の庭、サンクンガーデンがあります。そこには、鉄を使った彫刻を作る青木野枝さんの作品があります。表情豊かな作品をお楽しみください。

青木野枝

そして、美術館の前には横山裕一さんが車体に絵を描いたプリウスが停まっています。前回のトリエンナーレでは草間弥生さんのプリウスが登場しましたが、今回は、これです。

IMG_0008[1]

最後にもうひとつ作品をご紹介。ブーンスィ・タントロンシンさんのビデオ作品です。ちょっとアイロニカルでユーモラスな作品です。

今回の名古屋市美術館の展示は、建築家の青木淳さんが基本的な構成を考えてくださったものです。黒川紀章さんの設計したこの建物を生かすべく、建築の二つの軸線を強調して青いワイヤーと赤いワイヤーを張りました。

普段とは違う名古屋市美術館は新鮮な驚きに満ちています。ぜひ、体験しにいらしてください!

投稿者:akko

絵本原画展ワークショップ「じぷたを作ろう」

「はじめての美術 絵本原画の世界2013」が終了してから、かなり時間が経ってしまいましたが、7月6日(土)に行われたワークショップ「じぷたを作ろう」の様子をお伝えします。

“じぷた”とは、今回の出品作家の一人である山本忠敬さんの絵本『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の主人公、小型ジープの消防車のことです。
『しょうぼうじどうしゃ じぷた』が発行されたのは1963年10月。
50年も前に作られたお話ですが、今でも色あせることなくたくさんの人に愛されている絵本です。
今回は大人の手の平サイズの木製“じぷた”を作る体験を、皆さんに楽しんでいただくことにしました。
 
講師をお願いした井垣理史さんは、とても手先が器用で、根っからの凝り性。
あらかじめ用意された材料と道具を各テーブルに1人分ずつセッティングしたのですが、受付を済ませて会場に入った参加者は、その部品の多さと細かさにびっくり!!
写真つきの制作手順書も懇切丁寧に作られていて、ワークショップへの期待はがぜん高まります。

写真①1人分の材料
1人分の材料
 
井垣さんの説明と手順書を頼りに、少しずつ“じぷた”を形にしていきます。
ただ、車のパーツなど、聞き慣れない独特の用語に慣れるまで一苦労。
あまりの部品の多さと細かさに「え、次に使うのはどれ?」とやや戸惑い気味。
でも、分かんなかったら、どんどん聞けばいい。
接着剤でくっつけたものが取れてしまったら、付け直せばいい。
色を塗るところがはみ出してしまっても、乾いてから上から重ねちゃえばいい。
井垣さんのワークショップは失敗を気にしない、間違ったら前にもどってやり直せばいい、という考えと、それができる工夫にあふれています。
とても大らかで柔軟なところが魅力です。
最初、緊張していた参加者もその雰囲気に慣れ、作業も少しずつ調子がつかめてきました。

写真②針金に凧糸をまく…さて、これは?
針金に凧糸をまく…さて、これは?
写真③タイヤに色をつける
タイヤに色をつける
 

約5時間の格闘の末(?!)、出来上がった“じぷた”はこの通り。

写真④参加者Aさんの“じぷた” 写真⑤参加者Aさんの“じぷた”
参加者Aさんの“じぷた”
写真⑥参加者Bさんの“じぷた” 写真⑦参加者Bさんの“じぷた”
参加者Bさんの“じぷた”
写真⑧参加者Cさんの“じぷた” 写真⑨参加者Cさんの“じぷた”
参加者Cさんの“じぷた”
写真⑩参加者Dさんの“じぷた” 写真⑪参加者Dさんの“じぷた”
参加者Dさんの“じぷた”
写真⑫参加者Eさんの“じぷた”  写真⑬参加者Eさんの“じぷた”
参加者Eさんの“じぷた”
 

作業の合間に、このワークショップに参加しようと思ったきっかけを何人かにお尋ねしたのですが、ある女性は息子さんが二人とも『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の絵本が大好きで、小さい頃は何百回とせがまれて読み聞かせをしたそうです。それが懐かしくて応募されたとのこと。
今はお二人とも社会人だそうですが、このワークショップに参加することを話したら、普段ほとんど会話をしない下の息子さんが、当時じぷたの絵本がなぜ好きだったか、どのシーンでどんなことを感じていたのか、など堰を切ったようにワーッと話し始めてとても驚いた、と語ってくださいました。
出来上がっておうちに帰った“じぷた”を見て、息子さんがどんなコメントをしたのか、気になるところです。

ご参加いただいた皆さま、長時間にわたり本当にお疲れさまでした。
また、素敵なお話をありがとうございました。

投稿者:3

コンサート「絵本原画の音楽」~はじめての美術 絵本原画の世界2013~

「はじめての美術 絵本原画の世界2013」(会期: 6月15日[土]~7月21日[日])は、大勢のお客様にご来場いただき、好評のうちに終了することができました。最終日前日の7月20日(土)に行った野村誠さんのコンサート「絵本原画の音楽」にも多くのお客様にお集まりいただきましたので、その様子をご紹介します。

野村誠さんは、作曲家であり、ピアニスト、鍵盤ハーモニカ奏者としても活躍されています。音楽の既成概念にとらわれない野村さんの発想の柔軟さは、私たちを驚かせます。鍵盤ハーモニカはそのひとつですが、小学校の音楽の授業で使われることもあってか、リコーダーと同様に子どものための教育用楽器と思われている鍵盤ハーモニカに、オリジナルの曲を作り、奏者として実演して、その魅力と可能性を引き出す活動をしています。今回のコンサート「絵本原画の音楽」は、野村さんの多様で幅広い活動のほんの一部に触れていただくだけでしたが、展示してある絵本原画を楽譜にして、会場内を移動しながら鍵盤ハーモニカによる即興演奏を1時間ほどのあいだしていただきました。演奏していただいたのは、順に下記の9作品です。

秋野不矩《うらしまたろう》
太田大八《どうぶつたちのおかいもの》
佐藤忠良《おおきなかぶ》
田島征三《ふるやのもり》
長新太《おしゃべりなたまごやき》
なかのひろたか《ぞうくんのさんぽ》
村山知義《おなかのかわ》
山本忠敬《しょうぼうじどうしゃ じぷた》
大村(山脇)百合子《ぐりとぐら》

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佐藤忠良《おおきなかぶ》の前で演奏する野村さん。

2
おなじく佐藤忠良《おおきなかぶ》の前で。お客様と鍵盤を分けっこ。演奏の途中からかぶが抜けるまで、「うんとこしょ どっこいしょ」の掛け声がお客様のあいだで繰り返され、大変な盛り上がりでした。

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大村(山脇)百合子《ぐりとぐら》の前で。身動きできないくらい大勢のお客様です。

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おなじく大村(山脇)百合子《ぐりとぐら》の前で。野村さんの演奏にあわせてお客様の視線も画面を追って移動します。

場面が容易に分かる親しみやすい演奏をしてくださった野村さん。お客様は、野村さんの演奏する曲に促されて、いつも以上に目で見る原画の世界に引き込まれているように感じられました。皆様の楽しく満足そうな表情がとても印象に残りました。

ご参加いただいたお客様だけでなく、会場におられた他のお客様にもご理解とご協力をいただき、混乱なくコンサートを終えることができました。この場を借りて皆様にお礼を申し上げます。またこのような機会がありましたら、是非ご参加ください。

投稿者:み。