月別アーカイブ: 2012年4月

愛知県陶磁資料館 「西村陽平展」

4月になり、新年度がはじまりました。進学や就職などで新しい生活をはじめられた方も多いことでしょう。名古屋市美術館も今年度の最初の特別展「田渕俊夫展」が7日(土)からはじまりました。近隣の美術館でも連休前のここ数週間に今年度最初の特別展をはじめるところが多いようです。どこに行こうか迷ってしまいますが、ここでは愛知県陶磁資料館の「西村陽平展」をご紹介します。

「西村陽平展」チラシ

 西村陽平(1947-  )は京都に生まれ、現在は日本女子大学で教授として美術教育にたずさわっている造形作家です。西村は、焼成による造形をおもな創作手法としていることから、陶芸の分野で紹介されることの多い作家ですが、その作品や西村の意識には美術が取り扱うことがらが含まれています。愛知県美術館が作品を所蔵していますので、常設展でご覧になった方もあるでしょう。盲学校で美術教師をしていた西村は、その体験をみずからの資質に活かし、私たちの思い込みをくつがえす作品を作りつづけています。

《IRON CONTAINER FOR MUMMIFIED MAGAZINES》1992年 愛知県美術館蔵

名古屋市美術館は開館後まもない1980年代の末から90年代に、障害のある方々にも美術や美術館に親しんでいただくためのきっかけを提供する特別展を企画実施してきました。そこでは西村が指導した盲学校の生徒の作品も西村の作品も借用、展示したことがあり、その担当であった筆者は、その体験を通して西村本人に多くのことを学ぶ契機を与えられました。

美術館・博物館で開催されるはじめての個展であるこの度の展覧会は、西村の造形世界を初期から今日にいたるまであますところなく紹介するとともに、現在は愛知県陶磁資料館の所蔵品となっている盲学校の生徒作品を「西村陽平が出会った子どもたち展」としてあわせて展示紹介しています。陶磁資料館本館を常設展示を除いてまるごと使用した展示は、質量ともに見ごたえ十分です。戸惑いや苦しさを乗り越えて作る楽しさや喜びをあふれさせている子どもたちの作品は、筆者に久しく忘れていた清々しさを呼び戻してくれました。

 《目の色がかわるふくろう》宮崎佳代子(千葉県立千葉盲学校) 1984年 愛知県陶磁資料館蔵

 愛知県陶磁資料館は瀬戸市の丘陵地にあり、豊かな自然に恵まれています。作陶や人間国宝をはじめとする陶芸作家の茶碗を使った喫茶も体験できます。最寄の公共交通機関である高所を走るリニモからは、田渕俊夫が愛知県立芸術大学の教員時代に親しんだ長久手の丘陵地が一望できます。新緑が美しいこの季節、一日がかりの小旅行としても楽しいひとときを過ごしていただけるように思います。

「彫刻を聞き、土を語らせる-西村陽平展」
「西村陽平が出会った子どもたち展」
愛知県陶磁資料館 2012年4月7日(土)~5月27日(日)
http://www.pref.aichi.jp/touji/

投稿者:み。

ポジション展準備進んでいます

名古屋市美術館でもブログページが開設されて、日々の出来事を綴ることができるそうなので、展覧会の宣伝も兼ねて、早速投稿したいと思います。

今年の6月、約10年ぶりに「ポジション展」を開催することになりました。ポジション展は、名古屋市美術館で開催しているシリーズの展覧会で、この地方の若手作家を紹介するものです。過去には、1994年、1997年、2003年と開催しており、今度で4度目の開催になります。

 第4回目のタイトルは「ポジション2012 名古屋発現代美術 -この場所から見る世界-」です。この名古屋という場所にいて、今ある目の前の現実を見据えながら作品を制作している作家を紹介したいという思いでつけたタイトルです。また、今の現実、日常を見据えた上での、現実と非現実、あるいは日常と非日常の狭間を表現するような内省的な表現傾向ということも、今回の展覧会におけるテーマです。

 さて、先日、そのポジション展のポスター、チラシが納品されました。

 ポスター、チラシのデザインは、デザイナーの佐久間要さんが担当してくださいました。色鮮やかなモチーフは、佐久間さんが手作りでビーズを使って模った過去の巨匠の作品です。出品してくださる作家のみなさんが、ポジション展を経て、将来、巨匠へと羽ばたいていかれることを願って作られたデザインです。

私たちは、何度も校正や色校正を経ているので、出来上がりの様子については、事前に分かっているのですが、担当者としては、ポスター、チラシが納品されるという瞬間は、いよいよ展覧会の準備が本格化していくのだなあという身が引き締まる思いとともに、毎回本当にわくわくします。

という訳で、今週いっぱい、美術館では、ポジション展のポスター、ちらしの発送作業が続いていました。

いよいよ来週には、ポスター、チラシを発送できそうです。もうすぐ、みなさまの目に触れられるようになると思います!「ポジション2012 名古屋発現代美術」展、イベントも盛りだくさんの予定です。ぜひ、みなさまお楽しみに!

投稿者:hina

前田利家 現る

4月7日(土)から始まる「いのちの煌めき 田渕俊夫展」のテレビ取材に、名古屋おもてなし武将隊の前田利家殿と立三さんがいらっしゃいました。

 

 

今回の展覧会では、繊細でとても美しい日本画を紹介しています。

利家殿も繊細な描写に感激。

 

 

 「こちらにも素晴らしい作品がありますぞー」(立三)

「ほんとうじゃ。わしらは普段野戦ばかりじゃで癒されるのう。こういった時間がもてることは幸せじゃ。」(利家)

 

 

新作を前にして、しばし思いにふける利家殿。

 

 

「おもてなし隊なごや」は、4月18日(水)午後6時56分~7時、メーテレで放送されます。番組の最後には招待券のプレゼントのお知らせもあります。お見逃しなく!

「迫力がある繊細な作品ばかりじゃ。みなもぜひまいられよ。」

 

 

※名古屋おもてなし武将隊
開府400年に合わせて、名古屋の魅力を全国に伝えるために結成された、名古屋にゆかりのある武将6人(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・加藤清正・前田利家・前田慶次)と4陣笠隊(立三・市蔵・亀吉・お里)です。

投稿者:ナ

田渕俊夫展 展示二日目

田渕展の展示も二日目に入り、かなり出来上がってきました。山田学芸係長の指示のもと、展示ケース内で屏風の飾りつけです。

 

現代の日本画ですから、屏風も額絵と同じように開いて壁に展示します。

 

今回の展覧会のために制作された20枚組のパネル作品を結合します。昨年の東日本大震災への鎮魂と再生の思いを込めた力作です。今回が初公開。

 

展示の確認のために田渕先生が東京から来られました。神谷前副館長と初期の作品を前に思い出話に花が咲きます。

 

名古屋の中心街、栄を描いた作品をじっと見つめる田渕先生。

 

伊豆で取材された海景の前でしばらくたたずみます。

 

展示の確認の合間に新聞やテレビの取材が入ります。

 

新聞の取材が終わると、今度はテレビの取材。休む暇がありません。

 

展示は順調に進み、1階部分はほぼ完成。後は2階の新作の展示を残すのみです。

 

今回の展覧会のために新たに制作された水墨画です。20枚のパネルが生み出す空間は迫力満点。絵画的な美しさと深い精神性に満ちた傑作です。是非美術館で本物に接してください。

 

「いのちの煌めき 田渕俊夫展」はこちら

投稿者:F