カテゴリー別アーカイブ: 雑記

青木野枝さん、毎日芸術賞を受賞

青木野枝さんが昨年度に当館が豊田市美術館と開催した「青木野枝|ふりそそぐものたち」展で毎日芸術賞を受賞しました。
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「青木野枝|ふりそそぐものたち」展ポスター

毎日芸術賞は、毎日新聞社が主催し、芸術分野で特に優れた成果をあげた個人や団体に贈られます。1959年度から第1回がはじまり、青木さんの受賞は2013年度の第55回となります。毎年1月1日に前年度の受賞者発表が毎日新聞紙面で行われています。「青木野枝|ふりそそぐものたち」展は2012年12月で会期が終っていますので、2013年度になるのはおかしく思われますが、期間が独自に定められているようです。

展覧会終了から1年。思いもかけない吉報に、投稿子は清艶な展示を思い返し、記憶を新たにしました。

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展示室入口(撮影:山本糾)

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1階展示室(撮影:山本糾)

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2階展示室(撮影:山本糾)

選考委員の高階秀爾さんが紙面に書くように、青木さんの受賞は「青木野枝|ふりそそぐものたち」展だけでなく、その後につづく作家の充実した1年の活動が評価されたものです。受賞に関わりを持てたことをよろこびつつ、気持ちを新たに当館も実りのある活動をつづけたいと願っています。

投稿者:み。

ジヴェルニー便り

フランスに出張中ですが、今日はモネが後半生を過ごしたジヴェルニーを訪問。
モネの家の近くに、2009年にジヴェルニー印象派美術館がオープン。
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そこでは現在平松礼二展を開催中です。
館長のディエゴ・カンディールさんが平松さんの作品に惚れ込んで開催を決断。
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7月半ばから始まった展覧会は10月末で終了しますが、なんと入場者は約7万人。当館でも一昨年開催しましたが、その何倍の入場者でしょう。訪問した時は夕方の閉館前でしたが、まだ大勢のお客さんの姿が見えました。
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主催者の予想をはるかに上回る入場者数で、カタログも3回も増刷したそうです。平松さん本人も力が入り、作品だけでなく筆や絵の具、膠や絵皿などの道具も併せて展示して、日本画の技法への理解を求めていました。
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およそ30点ほどの出品作。展覧会終了後は全て印象派美術館のコレクションに加わるのだそうです。
展覧会を見学した後、モネの家と睡蓮の池を見学。
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この時期ですから睡蓮の花は咲いていませんが、モネの絵で有名な池の美しさは変わりません。池の周囲をぐるっと回って気づくのは、この池はどこから眺めても絵になるということです。モネは最初から自分の絵の材料にするために、この庭の造園に取り組んだと言いますが、実際に歩いてみてそのことがよく分かりました。

投稿者:F

「そよそよと流れるみどり色したサークル」魚住哲宏+魚住紀代美 @愛知県立芸術大学サテライトギャラリー

今年の梅雨は雨が少ないと言われていましたが、後半に入ってからは梅雨の本領発揮です。曇り空と雨空が交互に続き、空気はじめじめと体にまとわりつくようだし、なんとなく気分が乗らない感じ。梅雨の時期は気圧の変化で体調不良も起こりやすいのだそうです。この時期はあまり無理をせず、規則正しい生活を心がけて、ゆったりと過ごすようにしたいものですね。

アンニュイな気分を吹き飛ばすために、机の上をすっきりさせて集中力を高めて仕事の効率もアップさせようと、机にためていた展覧会のDMを整理したところ、ちょっぴり気になるはがきがありました。暗闇の中にテレビを覗き込む青く光った女の子。不思議な雰囲気を醸し出していました。これまで存じ上げない作家さんでしたが、近くで展示をされていて会期を見たら、ちょうど今日までということで、会期最終日終了間際にお伺いしました。

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展示室に入ると、あちらこちらに設置されているスピーカーやラジオ、テレビから様々な音が流れてきます。駅で流れる電車と番線の案内や、砂利道を歩くような音、車が走っていくような音、あるいは繰り返し流されるラジオかテレビの宣伝文句のような音、、、。それらの音がランダムに違った場所で流され、その音に反応してあちらこちらに設置してある電球やライトが音の大きさに反応して光ります。まるで展示室に入ってきた私を、「こっちだよ~」と誘ってくるようなのですが、近づくとふう~っと消えて、その喧騒と光は別の場所に移動してしまいます。

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円形に吊るされた青いりんご、古い扇風機、温かい家庭を思い起こすような小さなおうち、テレビを食い入るように見つめる女の子、女の子が見る画面に映し出されている画像はまるで昔のニュースみたい。吊るされた瓶にさされた枝は空飛ぶ羽のよう、、、。それぞれ意味があるのかもしれないけど、私には分からない。でも、どこか懐かしく、それぞれがなんだか記憶の断片(私の記憶かもしれないけど、誰か他人のかもしれない、あるいは誰もが持つ普遍的な記憶・・・?)のようにも思えてきて、ユングの集合的無意識ではないけれど、記憶の集積された世界の中にでも迷い込んだような、不思議で、とても魅力的な作品でした。

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タイトルに出てくる、みどり色をしたサークルというのは、青いりんごで形作られたサークルのことでしょうか。確かに、インスタレーションでは扇風機の風で少しそよそよとしていました。音、映像、光、風と、視覚だけではなく、いろんな感覚で感じられる動きのあるインスタレーションは、その時、その瞬間にだけ体験できる、私だけの特別な体験となります。それに加えて、魚住さんたちの作品は、吊るしている糸などあえて黒いものを使って可視的にしていたり、コンセントもぐじゃぐじゃとあえて雑然とした様子で設置していて、一見なんだかほっこりとするような温かい感じですが、よく見ると女の子の彫刻もしっかり作ってあって、それぞれのオブジェの仕組みも手が込んでいて、それぞれきちんと作りこんであって、それもとてもいいなあと思いました。

今回の作品のテーマは「ささいなこと」だそうで、展示には日常的なものがちりばめられていました。展示室内で流されていた音は、ベルリンの町の中で録音された様々な音だそうです。ベルリンという、私がいる日常とは別の世界の日常の音が、私の感覚をニュートラルにしてくれたから、私は自分がいるリアルな日常から少し離れ、知らないけどでも知っている、そういう世界に触れたように感じられたのかもしれません。

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奥のお部屋では、ドローイングと、また別のインスタレーションが設置されていました。こちらのインスタレーションは、ミュージシャンの方に様々なインタビューをして、その内容を「ワンワン」という犬のと言葉で表現してもらい、その音に合わせて光が反応するという、ユーモアたっぷりのインスタレーションでした。

魚住さんは、ご夫妻でユニットを組み、現在ドイツのベルリンに住んで作家活動をされているそうです。ご主人の魚住哲宏さんが、愛知県立芸術大学の彫刻のご出身というご縁で今回の展示が実現されたそうです。貴重なご帰国の機会にお二人の展示を見ることができてよかったです。これからもお二人のますますのご活躍、楽しみにしています!

 

展覧会名
STREAMING GREEN CIRCLE
そよそよと流れるミドリ色したサークル
日時
平成25年6月21日[金]~6月28日[金]
開館時間:11:00~18:30(最終日17:00)(会期中無休)
場所
愛知県立芸術大学栄サテライトギャラリー

魚住哲宏+紀代美さんのホームページ
http://www.uozumi-uozumi.com/index.html

投稿者:hina

美術館と「今でしょ!」

「美術館の人は、展覧会以外にどんな仕事があるの?」とよく聞かれます。
例を挙げればキリがないのですが、予告なく飛び込んでくる仕事のひとつに美術作品や画家、作家に関する問合せの電話があります。

先日も東京の某テレビ局から電話があり、
「林雲鳳(はやし・うんぽう)という画家について知りたいのですが、ご存知のことを教えていただけないでしょうか?」と尋ねられました。
林雲鳳(1899-1989)は、現在の岐阜県土岐市出身で、歴史に題材を得た作品を多く残している日本画家です。
当館でも3点ほど作品を所蔵しているので、名前を聞いて「あぁ」とすぐにピンと来ました。
しかし、一般的にそれほど知られている方ではなく、はて、一体どんな番組で調べているのかと思い、尋ねたところ、
「番組に林修(はやし・おさむ)さんをお招きして、インタビューを放送するのですが、祖父にあたる方が日本画家の林雲鳳さんと聞き、情報を集めているところなのです」とのこと。

…最初は「??」だったのですが、出演されているCMの決めゼリフ「今でしょ!」の一言で人気を集めている予備校の有名講師の方と分かり、「えぇーっ?!」
まさか、時の人と自分の勤め先がこんな接点でつながるとは…。

放送日が迫っているということで、取り急ぎ、先方が必要とされている情報を聞き出し、美術館にある文献資料から画家の経歴などを提供して仕事自体はつつがなく終わったのですが、気になって後日番組を見てみました。

画家のアトリエでの制作の様子が写真で映し出されたほか、孫として同じ絵の道には進むことはなかった(ご本人曰く「絵の才能がないことは幼稚園時代にハッキリした」)ものの、可愛がってくれた祖父の影響で歴史が好きになり、小学校の頃は歴史の本ばかり夢中になって読んでいた、などのエピソードが紹介されていました。
現在のお仕事につながる、勉強が好きになったきっかけもその頃の体験にあったようです。

“芸術家”と聞くと、自分たちとは接点のない別世界に住んでいる人という勝手なイメージを抱きがちですが、決してそうではなく、私たちと同じように大切な家族がいて、生活を営んでいて、そういう血の通った生身の人間が、美術作品を生み出している。
ごく当たり前のことですが、美術館が守り伝えている作品は、そのような人間のリアルな営みの中にあるものだと思うと、単なる研究対象の資料としての見方とはまた違った捉え方ができるなぁ、と感じました。

年度の変わり目のせわしない毎日ですが、こういう小さな発見を楽しみながら仕事をしています。

投稿者:3

“常設展示室 壁の色を替えました。” -15年ぶりの会話-

A.名古屋市美術館が休館してるんだって。知ってた?

B.名古屋市美術館のブログを読んでいるから知っているよ。

A.休館中、学芸員さんたちは何をしてるんだろうね?

B.それもブログに書いてあったよ。展覧会等の準備とかなんだろうね。そうそう図書室と常設展示室が新しくなるそうだよ。

A.新しくなるって?

B.図書室は書棚を増やして、常設展示室は壁の色を塗り替えたそうだよ。

A.へーっ。そうなんだぁ。壁の色を塗り替えるって、美術館の壁は白じゃないの?

B.名古屋市美術館の常設展示は、四つの収集方針に分けて展示し、それぞれの分野で壁面には異なる色彩が塗られているんだよ。

B.えっ?!それいつからなの?

A.もう、かれこれ15年にもなるんだよ。

B. えっ?!そんな前から? 私、名古屋市美術館には行ったことあるけど、特別展を見るだけで結構疲れてしまって、常設展はご無沙汰だわ。まぁ、いつでも観れるしね。

A.それは言えるね。ただ、地下の常設展では、本当に好きな作品をじっくりと見れるからね。また、解説ボランティアの人たちによる丁寧で軽妙な語り口も評判だよ。まぁ、それはそうとして壁の色だよ。

B.あっ、そうそう。

A.空調工事による休館を利用して、地下一階の常設展示室の壁面の色を一新したんだって。これまでモディリアーニの《おさげ髪の少女》が展示されているエコール・ド・パリのコーナーは赤茶色、ディエゴ・リベラの壁画《プロレタリアの団結》が展示されているメキシコは深い緑色、そして郷土の美術や版画や写真といったグラフィックなものを展示紹介していた常設展示室2は壁面が青く塗られていたんだよ。今回、学芸員さん全員で色見本を元にサンプルまで作らせて、壁の色を検討し決めたんだって。

B.それでどんな色になったのかしら?

A.エコール・ド・パリがDIC-N939《ぶどう酒色》で、メキシコのコーナーがDIC-F206《オリーヴ》で、常設展示室2はDIC-C135《中棕灰》になったそうだよ。

B. 作品に合うかどうか楽しみね。開館が待ち遠しいわね。それにしても結構くわしいのね。

A.まぁ、それほどでもないけどね。実は、15年前に壁の色を塗ったときにも、僕の会話が名古屋市美術館のニュース『アートペーパー』34号に載ったんだ。

投稿者:J.T.

名古屋市美術館臨時休館中!

名古屋市美術館は、ただいま空調工事のため長期臨時休館中。3月15日(金)まで、お休みとなります。

さて、私たち学芸員は、この長期休館中に何をしているでしょうか?

美術館が開いていなくても、学芸員室ではいろいろな仕事をしています。これからの展覧会や教育普及関係の準備をしたり、新しい企画を練ったりという仕事もありますし、その他の細々とした仕事ももちろんあります。

開館以来二十数年の間に溜まりに溜まった図書資料をどうするか、頭を悩ませていましたが、この機会に図書室に書棚を大幅に増やして整理しようということになりました。それに伴い、図書室でずっと活躍してくれた古いビデオブースは、撤去されるということに・・・。

それから、汚れたり色あせたり、穴が開いたりしていた常設展示室の壁も、綺麗に塗りなおすことになりました。そして、各コーナーの壁の色を一新する予定です。今回のリニューアルは空調工事が主なので、あまり美術館の外観が変わるということはなく、来館する皆様にリニューアルを実感していただける部分は少ないのですが、この、常設展の壁の色のリニューアル、ぜひ、注目してください。乞うご期待です!

3月16日(土)からは、常設展が始まります。少し新しくなった美術館に、ぜひご来館ください!

 

投稿者:akko

となりは何をする人ぞ

あけましておめでとうございます。

お正月休みも終わり、皆さん「あ~ぁ」と思いながら通勤・通学を再開された頃でしょうか。

美術館は1月4日から6日まで3日間、常設展だけではありますが、開館してお客様をお迎えしました。7日(月)からは空調工事のための臨時休館に入っています。

同じ白川公園の中にある科学館は、冬休み中も朝から長蛇の列。リニューアルオープンから間もなく2年が経ちますが、土日や長期休暇はプラネタリウムを目当てに、まだまだ遠方から多くの方がいらっしゃるようです。

先日、“10時現在プラネタリウムチケット待ちの列は解消されております”の文字に釣られて、リニューアル後初めてプラネタリウムを見に行ってきました。

最後に見たのはいつだったか、とにかく久しぶりのことで期待に胸膨らませて行ったのですが、見終わって思ったことは「そうそう、プラネタリウムってこんな感じだったな。でも…そこまで騒ぐほどのことじゃないような。」

というのも、幼稚園の遠足で初めて足を運んでから、名古屋市科学館に何度行ったか分かりません。小学6年生の時は友人と天文クラブにも入会して、指定された日曜日に例会と呼ばれる会員向けのプラネタリウムのプログラムにも欠かさず参加していました。ドームの大きさ、映し出される星空の美しさ、学芸員のナマ解説の面白さにどっぷり浸かっていた時期があります。

つまり「科学館ってこういうもの」のデフォルト(初期設定)が、私にとっては名古屋市科学館そのものであり、馴染みがあるからこそ上記のような感想になったのです。

大人になってから、学芸員がナマで解説してくれるプラネタリウムは全国的に珍しいことを知りました。当たり前のように享受していたけれど名古屋のこどもはとても恵まれている(いた)のだな、と気づくと、全国各地からわざわざプラネタリウムを見に来る方が多いのもうなずけます。

そうして新しいプラネタリウムの内容を振り返ってみると、こどもの頃の記憶に負けていなかったな、と思えてきました。

時間が経てば経つほど、楽しかった思い出は美化され、理想化されます。以前と同じように事業を展開しているだけでは不十分で、常に上を目指していないと、来館者から「前の方が面白かった」とガッカリされてしまいます。記憶に負けないクオリティを保つことは並大抵のことではないのです。月日とともに働いている人も変わる/換わる訳ですから、なおさらですね。

扱うテーマは違っていても、見習うべき活動をしている博物館施設が近くにあるのはとても有難いことです。年頭にいい刺激をもらったな、と思いました。

投稿者:3

“さようなら、ペヴスナー。”

名古屋市美術館の常設展示室で展示・紹介している作品は、基本的には当館の所蔵品ですが、なかには個人や企業が所蔵する美術作品も含まれています。個人の方がご所蔵され、それでもご自身一人で鑑賞するだけではなく、市民の皆様にも見ていただきたい(あるいは見せたい)という意思をお持ちの方には、「美術館の万全の環境でお預かりいたします。その代わり常設展示室で展示させていただきます。」という条件で作品を収蔵しています(勿論、美術館の常設展示室で展示・紹介するにふさわしい優れた作品かどうかという審査がありますが)。この制度を「寄託制度」と呼び、当館では二年更新で保管・展示をしています。購入や寄贈によって収蔵された作品は、名古屋市の財産として永久所蔵となるわけですが、寄託作品は、ある日突然所蔵者の手許に引き取られることもあります。


アントワーヌ・ペヴスナー《コンポジション》

今年の夏、常設展示室で展示されていたアントワーヌ・ペヴスナー《コンポジション》も寄託作品の一点でした。すでに三期五年にも亘ってご寄託いただいていたのですが、所蔵家からの申し出を受け、去る10月1日を以て寄託を解除、その後海外の個人所蔵となったようです。貴重な作品でもあり、誠に残念ではありますが、“泣く泣く”ご返却申し上げた次第です。

『アート・ペーパー』87号(2011年秋号)で紹介しましたとおり、同作品はキュビスムが平面から立体、さらには空間へと大きく展開した時期に制作されました。当館では、キュビスムによる作品をさほど多くは所蔵していないのですが、それでも、キスリングの《静物》(1913年)やローランサンの《サーカスにて》(c.1913年)、あるいはディエゴ・リベラのパリ留学時代の秀作《スペイン風景(トレド)》(1913年)、さらにはザツキンの彫刻作品《扇を持つ女》(1923年)等の所蔵作品と並べて展示すると、ペヴスナーの作品はキュビスムが模索した構図と構成の実験とその成果を比較・対照できる、絶好の、そして筆者にとって“お気に入り”の一点でもありました。さらに、この作品には表現ばかりでなく、もう一つ大きな“魅力”がありました。その裏面には一枚の印刷された写真が貼られていたのです。

写真には、テーブルを挟んだ14名の男性が写っています。室内と思われますが、全員がコートと帽子を着用したままで、まさに食卓に着いたところでしょうか。テーブルの右端に座っている男性は士官のようですが、その他の人物はウシャンカと呼ばれるロシア帽子を被っていることから、この一群がロシア軍に所属していることを知らせます。そして画面左手前から四人目のひげを蓄えた人物は丸で囲まれ、その向かい手前から五人目と二人目にはそれぞれ「1」と「2」という数字が書き込まれています。

丸印をつけられた人物が作家本人かどうかは現在までのところ確認できていません。ただ、少なくとも、だが確実に言えることは写真が撮影されたのがパリではなく、また写真が貼られたのは作品が制作された後であるということです。

作品が製作された1915年、ペヴスナーはパリを離れ、既に彫刻制作を手がけていた弟のナウム・ガボに合流し、一時期オスロに滞在しています。その後1917年にはモスクワに赴き、同地で美術アカデミーの教授を務めています。1917年と言えば、ペトログラードでのデモに端を発した暴動がモスクワにも波及した、ロシア革命の年にも当たります。この写真は、その時期の生活の一端を我々に知らせるものかも知れません。

現在、パリではアントワーヌ・ペヴスナーのカタログ・レゾネの編集作業が進められています。当館にかつて寄託されていた作品《コンポジション》も収録・掲載されるとのこと。その時、裏面に張られた写真の出典をたどれたならば、進行する革命の真只中で、画家はどのような日々を暮らし、そして彫刻へと転身して行ったのかについての手掛かりともなるでしょう。もう少し調べてみて、何か判明しましたらご紹介したいと思います。

投稿者:J.T.

季節の変わり目に

年明けに、白川公園の東側が整備されました。以前は、少し雨が降っただけで水が溜まり、美術館から公園の外に出ようとすると靴が泥んこになっていた公園内の道も水はけよくきれいに整備され、芝生が植えられ、雰囲気も明るくなり、以前にも増して子どもたちの楽しげに遊ぶ声が聞かれる場所となりました。

それから半年あまり。気がつけば、始めは短かった芝生も今ではすっかりふさふさに!今年の夏の猛暑も手伝って、緑色が心地よいまばゆさにすくすくと育っていました。

今年の夏も暑かったですね~!

最近では、空が少し高くなって、秋の気配が感じられるようになってきました。季節の変化を肌で感じられるこの公園が大好きです。

投稿者:hina

似ている?似ていない?

似ている?似ていない?


ウージェーヌ・アジェ 《小トリアノン宮殿,ヴェルサイユ》 1900年頃


ラシュモア山(4人のアメリカ大統領の彫像)

 

投稿者:sy