カテゴリー別アーカイブ: 雑記

枯葉とランド・アート?

枯葉の舞い散る季節となりました。枯葉といえば、誰もが思い浮かべるのがシャンソンの名曲「枯葉」です。ビル・エヴァンスをはじめとするジャズのアレンジでも有名なこの名曲。作曲者をご存知でしょうか? 作曲者はジョゼフ・コズマ。ハンガリー出身の音楽家です。シャンソンを代表する、このパリのエスプリと哀愁に充ちた音楽が、異邦人の手になるものと聞いて意外な感に打たれる方も少なくないでしょう。ユダヤ人のコズマは、ナチスの迫害を逃れて1933年にパリに移住。その後はジャン・ルノワール監督の「大いなる幻影」やマルセル・カルネ監督の「天井桟敷の人々」など、映画史に残る名作の数々の音楽を手がけています。美術と音楽の違いはあれ、コズマもまたエコール・ド・パリの一人なのです。

さて、その「枯葉」を見事にアレンジしたエヴァ・キャシディのライヴ録音の歌声を聴きながら歩いていると、白川公園で不思議なものを見つけました。
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枯葉で埋め尽くされた地面が、そこだけ模様のようになっています。少し位置を変えて見ると、その模様がさらにはっきりします。
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風に吹かれて自然にできた? わけはないですね。 誰か遊び心の豊かな人が、枯葉を素材に即興でアート作品を作り上げたのでしょう。当館にも、イギリスの作家アンディ・ゴールズワージーが、枯葉や流木で作った作品を記録した写真が収蔵されていますが、この無名の作家のランド・アート作品?をご紹介したく、アップさせていただきました。

海を渡ったエコール・ド・パリ

11月14日(土)から、四国、松山の愛媛県美術館で「エコール・ド・パリの色と形」展が始まりました。

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名古屋市美術館所蔵の作品78点に、愛媛県美術館所蔵の12点を加えた計90点の作品によってエコール・ド・パリの造形的な特徴を浮かび上がらせようとする展覧会です。これまで様々な展覧会に当館のコレクションを出品してきましたが、エコール・ド・パリだけでこれほどまとまった数の出品をするのは初めてです。当館の工事による休館のために可能となった企画ですが、常設展でもこれだけの数を展示することはなく、手前味噌になりますが、改めてその充実ぶりを示すことができました。

13日(金)には関係者をお招きしての内覧会が行われましたが、コロナ禍が広がる中にもかかわらず、大勢の方々にご覧いただくことができました。
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これを機会に、名古屋市美術館に関心をお持ちいただき、コロナ収束後には是非名古屋を訪問していただきたいものです。

さて、当日はコロナの第三波襲来のニュースが話題となっていましたが、街を歩くとあの有名なライオンもマスクを着用していました。
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百獣の王の鋭い牙も、コロナを粉砕することはできません。どうぞ皆さまもくれぐれもお気を付けください。

72年前の今日、東山動物園に「猛獣画廊」が開設

戦時中の1943年11月、東山動物園ではじめて、日本軍の要請による猛獣の殺処分(ヒグマとライオン)が行われました。それ以降、園内の動物は殺処分とエサ不足による餓死で激減していき、1945年の終戦時に生き残っていたのは、ゾウ2頭、チンパンジー1匹、鳥類20数羽のみでした。東山動物園は1946年3月に再開し、上野動物園からカンガルーやイノシシを譲り受けることができましたが、それでも飼育動物の種類は圧倒的に不足していました。主のいないキリン舎で、幻灯機を使って動物の写真を映写して見せたり、アシカの池を子どもの遊泳場として開放したりと、なんとか来場者に楽しんでもらおうと苦心しながら、動物園はしばらく営業を続けていました。

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『中京新聞』(1948年11月14日)に掲載された写真

そんな猛獣のいない寂しさを埋めようと、当時存在していた「中京新聞」が主唱して、世界各地に棲む猛獣の生態を、旧カバ舎の壁面を覆う大画面に描いて公開する「猛獣画廊」が企画されました。絵画制作の依頼を受けたのは、太田三郎(愛知生)、水谷清(岐阜生)、宮本三郎(石川生)という東海・北陸ゆかりの3人の実力者です。それぞれ北極・南極、アジアの熱帯雨林、アフリカのサバンナに棲む動物を受け持ち、たて1.4m、よこ5.4mのキャンヴァスを相手に筆を奮いました。1948年11月13日(土)、「猛獣画廊」の開設式が挙行され、完成した壁画3点はこの日から市民に公開されました。翌日14日(日)には開設を記念して演芸祭が開かれ、東山行きの市電が大増発して、市内の子どもたち5,000人が招待されました。子どもたちは熱心に動物の姿を探して観察し、大人たちはライオンやトラを見て昔の動物園を懐かしんだそうです。

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水谷清 《東山動物園猛獣画廊壁画 No. 2》 1948年 名古屋市美術館

猛獣画廊の閉廊日はわかっていませんが、戦後初めてカバが来園した1952年にはおそらく壁画は撤去されていたとみられます。その後、この壁画がふたたび市民に一般公開されたのは、2018年10月6日(土)のこと。名古屋市美術館の開館30周年を記念した特別展「ザ・ベスト・セレクション」で、当館に寄贈されて以来はじめて展示されました(2018年11月25日(日)まで)。この壁画は動物園での公開が終了したのち、どのような状態で保管されていたのか詳しいことがわかっていません。そのため、画面の汚れや絵具の剥落など、大小さまざまなダメージを負った状態で当館に収蔵されました。当館では現在、壁画を修復するための寄附金を募っています。いつかこの壁画がより良い状態で展示される機会が来ることを願っています。

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特別展「ザ・ベスト・セレクション」での展示

お待たせしました!美術館が再開します!

名古屋市美術館は、2021年1月5日(火)に再開する運びとなりました。美術館は、新型コロナウイルス感染防止対策による休館に引き続き、屋内外の改修工事のため休館していますが、やっと再開日程が決まりました。

毎朝、まず今日一日の天気予報のチェックに始まり、仕事中には、突きあげるような工事の振動と音に「順調、順調」と納得?し、工事の安全第一と、1日でも早く開館したいという美術館職員としての想いで、工事現場の作業員さんたちに感謝とエールを送り続けています。

さて、再開にあたり、名古屋市美術館の魅力を存分に味わっていただこうと、当館の所蔵作品を中心とした、常設展「名品コレクション展 Ⅰ」を開催します。ここでは、会期を前期(1月5日~2月3日)、後期(2月6日~3月14日)に分け、一部展示替えを行いながら、シャガールの版画《死せる魂》をはじめ藤田嗣治、北川民次、荻須高徳といった多彩な作品を紹介します。さらに郷土の作家として、世界的な現代美術作家、荒川修作の作品を特集して展示します。

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山元春挙 《観瀑之図》 1910-20年代 名古屋市美術館蔵

当館の看板娘、モディリアーニの《おさげ髪の少女》やシャガールの《二重肖像》等は、愛媛県美術館で開催する「名古屋市美術館所蔵 エコール・ド・パリの色と形」展(11月14日-令和3年1月31日)に出品のため前期はご覧いただけませんが、後期には展示いたします。

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また当館では、新型コロナウイルス感染防止対策に取り組んでいきます。入館時の熱センサーによる検温や全館にわたる機械空調、さらに一日数回の消毒作業等、来館いただいた方々が、安心して鑑賞していただける環境を提供していきます。そのためにも、入館時のマスクの着用、手指消毒、発熱時の来館自粛等、感染防止対策にご協力をお願いいたします。

2月以降は、特別展も開催します。再開まで、あと少しお待ちください。

《おさげ髪の少女》切手になる!

当館の看板娘《おさげ髪の少女》が切手になりました。10月16日、「美術の世界シリーズ 第2集 赤の世界」切手シートが発売され、84円と63円のそれぞれ10枚組の中の1枚として《おさげ髪の少女》が選ばれました。葛飾北斎、速水御舟、クロード・モネ、アンリ・マティスなど、名だたる世界の巨匠の名作と並んでも、何ら遜色のない、いやむしろそのシンプルな美しさ、可愛さが際立っている、と感じるのは親の欲目でしょうか。皆さま方におかれましても、どうぞこの子をご贔屓にしていただき、錦秋の便りなどしたためる際にご利用いただければ、そのセンスの良さに、受け取られた先様の顔が和むこと間違いなしです。長らくのご愛顧をお願いいたします。

美術の世界1美術の世界2

れいこからの手紙;岸田劉生展その後

こんにちは、キューピー・れいこです。
約半年ぶりに皆さまにご挨拶しております。お元気にお過ごしですか。

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3月1日まで岸田麗子さんのお父様の作品を展示した岸田劉生展が開催されていました。ご来館いただきました皆さま、本当にありがとうございました。今日は、展覧会が終わったあとのことを少しご紹介します。

展覧会が終了したその日の夜から作品の片づけが始まりました。一点、一点、状態を確認し、丁寧に包み、輸送用の箱に入れていきました。

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そして、作品を所有している美術館やコレクターのところに、北は北海道から西は福岡県まで、それぞれに学芸員さんが同行してトラックで運ばれていきました。長時間トラックに乗っているのは大変ですが、このたびはトラックからこんなきれいな富士山が見えたそうです!

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美術館には皆さまに書いていただいた感想ノートが残されています。そこには麗子さんを描いた《麗子微笑》を学校の教科書で見たときの思い出や、同じ名前の「レイコさん」が親近感を持って作品を見てくださったことが綴られており、とても感慨深く読みました。どれだけ麗子さんの絵が愛され、記憶に残る作品であるかが伝わってきました。その一部は、美術館が刊行している『アートペーパー』に掲載されています。美術館のホームページで見ることができますので、ぜひアクセスしてみてください。

今月には展覧会の図録を名古屋市の小学校・中学校・特別支援学校・高等学校、そして図書館に1冊ずつ贈りました。展覧会を見てくださった方も、見逃した方も手に取って作品を思い出していただけれたら嬉しく思います。名古屋市役所には、各校宛てに配送する資料などを入れる連絡用の棚があり、そこを利用して配布しました!

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美術館は岸田劉生展のあと改修工事のため休館し、展示室は、今はひっそりとしています。年明けにはお客様をお迎えできるだろうと聞いています。それまで、皆さまもお元気にお過ごしください。
それではまたお目にかかれる日まで。  れいこ

美術館はいつから再開するの?

名古屋市美術館では、当初11月から予定していた工事を前倒して実施しています。
「工事はいつ終わるの?」「いつから開館するの?」との問い合わせが寄せられています。fig.1

7月は長雨が続きましたが、8月は天候にも恵まれ工事も順調に推移しています。このまま進めば年明け早々には、開館できそうですが、あとは天候次第。台風の襲来が続けば工事も中断せざるを得ません。疫病退散、猛暑終息、台風回避。天に祈る日々が続きます。
台風シーズンが終了した時点で、正式に開館の時期をお知らせできればと存じます。

感染症拡大防止対策 非接触温度センサーの寄贈

このたび、株式会社大倉 名古屋本社様より、「非接触温度センサー」の寄贈がありました。fig.1

最新AI搭載の温度センサーの寄贈が行われ、それに対して河村たかし名古屋市長が感謝状を贈呈しました。
この温度センサーは、非接触でマスクをつけたままで検温ができる優れモノ。再開後は美術館玄関に設置し、来館者が安心して作品を鑑賞していただけるよう有効活用させていただきます。センサーの前に立って熱があると大きな警告音が鳴るのですが、そこで教育長が一言。警告音の代わりに市長の声で「おみゃーさん。熱があるでよー」としてはどうですか、と提案。一同大爆笑でした。

紺綬褒章伝達式が行われました。

昨年6月に、藤田嗣治の絵画《夢》と《二人の祈り》をご寄贈いただきましたオリエンタルビル株式会社取締役社長の平松潤一郎様に紺綬褒章が授与されました。

8月6日には、名古屋市役所にて伝達式が行われ、河村たかし市長より平松様に章記と褒章及び木杯が渡されました。
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このたびご寄贈いただいた作品は、昨年8月初めから今年3月初めまで常設展示室にて展示し、多くの皆様にご覧いただきました。また、藤田が戦後に描いたこれら2点が加わり、当館ではより広く藤田の画業をご紹介できるようになりました。

株式会社三五様より車椅子をご寄贈いただきました

当館の館内貸出用車椅子のうち1台を更新しました。

この車椅子は、11月1日(金曜)に株式会社三五様よりご寄贈いただいたもので、同日、名古屋市美術館において寄贈式が行われました。

また、このご寄贈に対し、早瀬弘親館長より、市長感謝状が贈呈されました。

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