カテゴリー別アーカイブ: 美術館、ただいま準備中

美術館、ただいま準備中(第6回)「年明けは美術館に」

いよいよ名古屋市美術館は、令和3年1月5日から開館します。
常設展「名品コレクション展Ⅰ」、特集「没後10年 荒川修作―初期平面の仕事」を、地下1階展示室にて開催します。ご来館の際にはマスクの着用、手指消毒など感染対策にご協力をお願いいたします。

前倒しして実施してまいりました改修工事ですが、天井落下対策工事は終了しました。外壁工事は、表玄関周りは終了しましたが、事務室側の足場はまだ残っています。トイレ洋式化工事は、2階部分は終了しましたが、1階、地下1階部分はこれからです。
ご不便をおかけします。

美術館、ただいま準備中(第5回)「足場の解体はじまる」

すでにお伝えしたように、美術館は年明け1月5日の開館を目指して準備中です。外壁の補修工事が続いていましたが、好天にも恵まれ作業は順調に進み、完了した部分から足場の解体が始まっています。
図1

ポールの一本一本を人力で下していきます。
図2

建物西側の部分はほぼ解体が終了しています。
図3

遠目で見てもタイル壁が美しい輝きを取り戻しており、32年前の開館当時を思い起こさせます。年明けに皆さまをお迎えする準備が着々と進んでいます。

さて、美術館のある白川公園の周囲の木々もすっかり色づき、晩秋の趣を深くしていますが、紅葉を見るたびに思い出すのが15年前に訪れたプリンストン大学の付属美術館です。
図4

アメリカでは付属の美術館を持つ大学が少なくありませんが、プリンストンの美術館は中でも有数のコレクションを誇っています。当館も1994年に開催した「モネ展」の際に、素晴らしい睡蓮の作品をお借りしています。
図5
クロード・モネ 《睡蓮の池と日本の橋》 1899年 プリンストン大学美術館

15年前の訪問は同館が所蔵するモディリアーニの出品交渉を行ったのですが、残念ながら不首尾に終わりました。今でも紅葉の季節になると、ニュージャージーの美しい晩秋の景色と、モディリアーニの苦い思い出がよみがえります。
図6

美術館、ただいま準備中(第4回)「天井落下対策工事が動き出しました」

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、朝晩、めっきり涼しくなってきました。でも、美術館は、工事作業で熱気を帯びています。
美術館では、外壁工事に続き、天井落下対策工事が始まりました。建物の内外で工事に携わる多くの人が、完成を目指して作業に励んでいます。

美術館の地下では、大きな作品の大移動が終わり、がらんとしたロビー一面に安全対策設備が設置されました。

12

美術館ロビーの天井は、「吊り天井」という構造になっています。

3

「吊り天井」は、天井裏のスペースを活用できることや遮音性が高いことなどのメリットがある反面、地震の揺れに対する強度に不安な一面もあります。そのため、安心・安全で、地震時にも落下しにくい天井に補強する工事を行っています。

来館者のみなさまが、安全で快適に過ごしていただける美術館を目指し、誠心誠意工事を行っています。
開館までもう少々おまちください。

美術館、ただいま準備中(第3回)「地下ロビーの作品大移動」

暑い夏の日、名古屋市美術館の地下ロビーでは作品の大移動が行われました。この秋から冬にかけて、ロビーの天井の耐震工事を行うことになっており、天井まで届く足場を組まなくてはなりません。それに先駆けて、ロビーにある3点の作品を安全な場所まで移動することになりました。

この日は美術品専門の作業員さん6名に加え、修復家の方やカメラマン、それに当館の学芸員が総出で作業にあたりました。

最初に移動したのは、レッド・グルームスの《ウールワース・ビルディング》です。

この作品の移動にあたっては、移動のし易さのため、そして移動先の天井に作品がつかえないように、作品のいくつかの部分を取り外す必要がありました。回転扉の部分を取り外し、作品上部も取り外し、人力で安全な場所まで移動しました。

ロビーの真ん中に立っていたボロフスキーの《ハンマリングマン》も、このとおり。倒して別の場所に移動します。

図1

天井近くを飛んでいたボロフスキーの《フライングマン》も、地上に降りてきました。こんな顔していたんですね。埃を払ってもらっています。

図2

3点の作品移動が終わったロビーはがらんとしてしまいました。

天井の耐震工事が終わったら、また3点の作品を元の位置に戻します。そして、美術館全体の工事が終われば、いよいよ皆様に展示をご覧いただけます。今しばらく、お待ちいただければ幸いです。

美術館、ただいま準備中(第2回)「足場を登って屋上へ」

前回お伝えした通り、今回はパイプで組み立てた足場を登って、地上15メートルからの眺めをお伝えします。

前回から1週間余り、アプローチ・グリッドの部分もすっかり布で覆われています。今回はこの部分の足場を登っていきます。
図1

足場を組んだ内部はご覧のとおり。縦横無尽にパイプが組まれ、まわりを布で囲まれているせいか、それほど高さの恐怖感はありません。
図2

屋上に到着しました。突き出しているガラス窓は天井光の取り込み口。ここから展示室内に自然光が降り注ぎます。
図3

屋上から下をのぞき込みます。コールダーもアバカノビッチもずいぶん小さく見えます。
図4図5

図書室をやや上から眺めます。こんな写真二度と撮れないでしょう。
図6

外壁を覆っているタイルの点検・修理を行うのが工事の目的なのですが、異常を見分けるのは音。表面を軽くたたき、その音でタイルが下地から浮き上がっていないか確認します。修理が必要な部分には、ご覧のようにテープを貼っていきます。すべてのタイルを確認するわけですから、ものすごい時間がかかります。
図7

こちらは目地の部分の修理です。上半分は新しい樹脂を充填していますが、下はまだこれから。ここから雨水などが内部に浸透すると、腐食の原因になるのですぐに対応します。
図8

見学を終えて地上に到着。ミッション・コンプリート。
図9

美術館、ただいま準備中(第1回)「梱包された美術館?!」

や、や、や! 名古屋市美術館が布で覆われている!
Re図1

南側に回ると、こちらもやはり布が!
Re図2
これはひょっとして世界中の建築物を布で包み込む作家クリストの新しい梱包作品か? しかし、クリストは今年5月に亡くなったはず? となると、パリの凱旋門と同じく、生前の計画を追悼記念としていち早く実現したのか… なわけないですね。正面に回ってみましょう。

Re図3
アプローチ・グリッドの部分がパイプで覆われています。もう少し近づいてみましょう。

Re図4
パイプを組み合わせて足場が組まれています。まだ足場は完成しておらず、組み立ての最中ですが、これが完成すると、他の部分と同様布で覆われ、建物全体がほぼ梱包された状態となります。これは外壁工事の足場とするためのものですが、布で覆った芸術作品だ!と言い張れないこともないような気がします。いや無理か。

名古屋市美術館は3月2日からずっと休館させていただいておりますが、外壁をはじめ、何か所かの大規模工事が進行中です。美術館も開館から32年を経て、あちらこちらに手を入れる必要が出てきました。外壁はご覧のように大部分がタイル貼りで、亀裂が入った部分も一部見えます。
Re図5   Re図6
万が一にもこのタイルが落下してお客様に当たったりしたら一大事。全てのタイルを点検して、傷んだ部分は修復や取り替えを行います。作業終了までは、まだかなりの時間を要しますので、なにとぞご理解をお願いします。

さて、足場があるということは、そこまで登れるということ。今日も作業員の方が地上15メートルで奮闘中ですが、あの高さからの眺めはさぞかし絶景でしょう。
Re図7
次回は、足場の一番上からの、誰も見たことがない風景をお届けしたいと思います。

不定期連載企画「美術館、ただいま準備中」を始めます

名古屋市美術館は、今年度当初以降、新型コロナウイルス感染拡大対策及び、改修工事を前倒して実施しているため休館しています。
工事は今後数か月間続くため、当初予定していた展示をご覧いただけない状況が続きます。そのため、工事休館中の名古屋市美術館の状況などをお知らせする一環として、当ブログにおいて不定期連載企画「美術館、ただいま準備中」を開始することにしました。
工事中だからこそ現れる、普段とは違った美術館の光景などもお届けしてまいりますので、ご覧いただければと存じます。