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「ゴー・ビトゥイーンズ:こどもを通して見る世界」展 3週連続映画上映会

11月8日(土)から始まった「ゴー・ビトゥイーンズ:こどもを通して見る世界」展。
皆さま、もうご覧いただけたでしょうか?

本展では講演会や解説会に加え、さまざまな年代を対象にした鑑賞プログラム、そして展覧会テーマに関連した映画の上映会を企画・開催しています。
今回は11月の土日3週にわたってお送りした映画上映会について担当者のちょっとした裏話を交えながらレポートします。

11月16日(日)上映
『子供の情景』(2007年/監督:ハナ・マフマルバフ)
子供の情景

この作品、実は展覧会の準備段階では出品作として検討されていました。ただ、80分を超える映像作品を展示室で紹介するのは現実的でないと考え、じっくりご覧いただく機会として、上映会を設けることにしたのです。この映画がなければ、上映会の企画自体もなかったかもしれません。

(あらすじ)
主人公バクタイは6歳の女の子。幼なじみのアッバスの話に興味を持ち、学校へ行きたいと考え、行動を起こすが…。

欲望に忠実な小さなこどもの真っ直ぐさやしたたかさに思わず笑ってしまう反面、映画の舞台となった地域における女の子の社会的地位の低さに気づかされ、戦争ごっこ、タリバンごっこを繰り広げる男の子たちの振る舞いが大人の社会をそのまま映し出す鏡のように感じられます。

こどもは、大人が作った社会に生きている。生きる場所を選べないのだということを改めて思い知らされます。

11月22日(土)上映
『はちみつ色のユン』(2012年/監督:ユン、ローラン・ボアロー)
はちみつ色のユン

出展作品の中でテーマになっている、移民や国際養子縁組の問題。よりよく知るきっかけとなる映画はないかと探して、たどり着いた作品です。

実はもう1つ、『冬の小鳥』という韓国映画が候補にあったのですが養子として新たな家族のもとで成長していく過程を描いているところ、実写とアニメとCG、1970年代当時と現在など表現手段と時間がさまざまに交錯するところが映像作品としても魅力的に感じ、今回はこちらを選びました。2014年の文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門で大賞を受賞しています。

(この受賞記念上映会+監督によるトークへの参加を計画していたのですが、当日の2月某日は東京が寒波と大雪に見舞われ…やむなく遠征を断念。後日、配給元からサンプルをお借りして鑑賞したのでした)

「親から愛されたい」と願う気持ちと、生みの親に捨てられた現実。自分を引き取った養父母への疑問、自分の容姿と言葉や文化との乖離から「自分はいったい何者なのか」苦悩し、葛藤する姿を現在の監督自身の視点と、当時のユン少年の視点から丁寧に描いた作品です。

11月29日(土)上映
『ぜんぶ、フィデルのせい』(2006年/監督:ジュリー・ガウラス)
ぜんぶ、フィデルのせい

今回選んだ3本の中で、最も動きや感情のぶつかり合いがあるのが、こちら。奔放なこどもに振り回される大人は何の不思議もありませんが、この映画では革新的な大人と保守的なこどもとの対比が印象的です。

主人公アンナのすごいところは、思い通りにならないことに不満は漏らしても駄々をこね続けるのではなく、疑問を素直に両親やお手伝いさんにぶつけたり、図書館で調べたり、気になる場所へ自分の足で行ってみようとするところ。分からないことを放置せず、自分で“視る”こと、“知る”ことを経て、彼女は少しずつ自分の考えを持ち、成長していきます。

そもそも人は自分で考え、学ぶことによって成長する生き物です。大人であるわたしたちは、きちんとそれを実践できているだろうか?成長を望むこどもたちにちゃんと向き合えているだろうか?そんなことを考えさせられました。

いずれの作品もそれぞれの歴史的な背景、社会情勢を詳しく知れば知るほどさらに深い考察や問題提起、別の見方ができると思いますが、今回はこどもたちの物事の捉え方、感じ方、こども時代特有の感覚を丁寧に扱っているという視点に立って、上映作品を選びました。本展を楽しむきっかけの1つになっていれば担当者としても嬉しいです。

上映会へお越しいただいた皆さま(3回皆勤賞のお客様もいらっしゃいました!)、ありがとうございました。

投稿者:3

ゴー・ビトゥイーンズ:こどもを通して見る世界展 開会式

 11月7日(金)「ゴー・ビトゥイーンズ:こどもを通して見る世界展」の開会式が開催されました。

開会式1

開会式2

開会式3

開会式4

 この展覧会はこどもを媒介者あるいは世界をのぞく窓としてとらえ、こどもたちを取り巻く環境や問題点、そしてこどもたちの豊かな創造性や感受性を、世界各国の20作家の映像、アニメーション、写真、絵画作品など約90点の作品を通じて紹介するものです。
 会期中には講演会、映画上映会など、作品をより深く理解するための関連事業もあります。
多くの方に本展をご覧いただき、私たちを取り巻く世界とその未来について、語り合う機会になればと願っております。