ランス美術館展:初の試み

ランス美術館展の会期もいよいよあと2週間となりました。

本展では、当館で初の試みとなる関連催事を数多く実施しましたので、まだ会期途中ですが、振り返ってみたいと思います。

1 出張講演会(8/22・8/30)

改修工事のための臨時休館中に、学芸員が市科学館と市博物館へ出張して、ランス市の魅力を歴史と文化の両面からわかりやすく解説する講演会を実施しました。暑い中たくさんの方にご参加いただきました。

 

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2 教員向け「作品解説会」(10/13)

団体鑑賞のきっかけにしていだくために、教員のみなさまを対象とした作品解説を実施しました。

 

3 会場内演劇「マラー巡礼:美術と視覚をめぐる物語」(10/20・21)

10月20日の名古屋市とランス市の姉妹都市提携の調印を記念して、ランス市から演出家エヴァ・クラスカさんを招き、当館職員を含む日本人役者を起用し、会場内にて演劇を実施しました。。21日はランス市長さんもご観覧いただきました。

当日の映像は以下のサイトでご覧いただけます。

http://www.chunichi.co.jp/article/movie/list2/ZZ2017102601009403.html

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4 クラシックの夕べ(10/28)

閉館後の展示室内でセントラル愛知交響楽団の木管五重奏と学芸員の作品解説が楽しめる特別鑑賞会「クラシックの夕べ」を実施しました。名画を鑑賞しながら生演奏が聴けるというゆったりぜいたくな時間を満喫していただきました。

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5 名画の夕べ(11/11)

閉館後の展示室内で学芸員が作品解説を行う「名画の夕べ」を実施しました。参加者の皆様は深谷副館長と美術談義をしながら、ゆっくり鑑賞されていました。

 

6 休館日のベビーカーツアー(11/13)

普段美術館に来るのを遠慮しているかもしれない子育て中の方を対象とした「休館日のベビーカーツアー」を実施しました。休館日の美術館で学芸員の解説を聞きながら、ゆっくり気兼ねなく鑑賞していただきました。普段展示室ではあまり聞かないお子様の声を聞いて、関係者一同ほっこりした気分になりました。

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7 シャンパーニュの夕べ(11/18)

閉館後の展示室内で学芸員の作品解説を聞いた後に、シャンパンと軽食を楽しんでいただく「シャンパーニュの夕べ」を実施しました。ランス美術館展にご協力をいただいてるG.H.マム社のシャンパン「コルドン・ルージュ」が大変好評でした。

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ランス美術館展は12月3日までです。まだ観てない方やもう一度観たいという方もお見逃しなく。

ここまで凝ったフォトスポットも初の試みかもしれません。

 

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台風一過

台風21号にかかわる非常配備で10月22日(日)の夜から23日(月)の朝まで美術館で過ごすことになりました。特別展に出品する海外からの借用作品の受け入れのため、夜半から早朝まで美術館で待機したこともありますが、日付を跨いで長い時間を夜の美術館で過ごすのは久しぶりのことです。

10月21日(土)と22日(日)は名古屋まつりの実施日にあたり、多くのみなさまが楽しみにしておられたことと思いますが、英傑行列をはじめ多くの催事が中止になりました。名古屋市美術館でも関連事業として22日は常設展利用が無料となるため、ボランティアが通常のギャラリートークに加えて特別企画を用意していましたが、例年ほどにはお客様に利用していただくことはできませんでした。22日は衆議院議員選挙日でもあり、何かと落ち着かない週末だったように思います。

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写真は、23日(月)の早朝に撮影したものです。
警報がまだ出ているにもかかわらず、雨が上がり日差しが見えはじめた頃から犬の散歩やジョギングをする方の姿が白川公園に見られるようになりました。
写真の作品は、美術館の建物の正面に設置されているコールダ―の《ファブニール・ドラゴン II》です。「あれ、いつもと違うぞ」と思われた方があるかもしれません。

風を受けてくるくる回る頭の部分がなくなっています。
台風の風で激しく回転したり、煽られて飛ばされて周りの人を傷つけないよう、あらかじめ頭の部分を外しています。これは作品を守るためでもあります。
一年のうちに何度かこうした状態になります。
この度の台風では雨の降りはじめた21日(土)の朝に取り外す作業を行いました。

台風の折に美術館を訪れる方は多くはないと思います。
頭のないドラゴンをご覧になったことがある方も多くはないと思い、復旧前の姿をご紹介しました。

樹木の枝が折れたりしましたが、美術館には目立った被害はありませんでした。この後、各所で被害の状況が明らかになってくることでしょう。大きな被害のないことを願うばかりです。

投稿者:み。

工事休館中のボランティア活動

名古屋市美術館は改修工事のため、約3カ月の間、お休みをいただきました。

当館ボランティアは開館日の毎日、11時と14時に常設展でギャラリートークを実施していますが、休館中はそれも休みにせざるを得ません。しかし「休館中だからこそ出来る活動があるのでは?」「普段なかなか出来ないことを、この機会に取り組みたい」と一部メンバーから提案があり、この夏は新しい試みを模索、挑戦しました。その活動についてご紹介します。

新しい試みとは、高齢者施設への出張活動です。小学校や放課後学級など、子どもを対象とした出張プログラムは以前から行っており、今回の休館中にも市内の複数の小学校へ出向きましたが、高齢者向けの活動はこれまで経験がありません。学校向けの活動には、市の教育委員会などを通じて希望を募るなど、実施までの段取りが整っていますが、美術館と高齢者施設との接点はほぼ皆無です。美術館へ足を運ぶのが難しい人たちのところへ出向いて、美術に親しむ機会を提供するという趣旨は認めるものの、果たしてニーズはあるのか…。手探り状態ではありましたが、今回の休館中に限った試行的な取り組みとして実施を決め、電話で問合せを続けたところ、幸い市内2か所のデイサービスセンターが活動を受け入れてくれることになりました。

集まったメンバー10数名で勉強会を開き、美術館ボランティアである自分たちにどのような活動が提供できるか、デイサービス利用者と活動をともにする際、どのような配慮が必要か、などを話し合いました。主な活動は所蔵作品をもとにしたぬり絵と、アートカードを絵札に見立てたカルタ取りの2つに絞り、一部のメンバーは学芸員とともに現場の下見を行って、職員の方からアドバイスを受けました。

ぬり絵では、利用者が関心を持って取り組めそうな題材を検討しました。図柄の細かさにも注目し、簡単すぎず難しすぎない適度な加減を見極めました。一方、カルタ取りでは、利用者の視力や視野について考えました。ハガキ大の紙に印刷された図柄を、離れたところから認識できる高齢者は多くありません。はっきりした色や輪郭線があることを基準に、60枚あるアートカードを約半分に絞り込みました。カルタの読み札も、当てはまる図柄を探すのに分かりやすく的確な表現になっているか、一語一語吟味しました。どちらの活動も、完成までのスピードや勝ち負けを競うのではなく、高齢者の方々が楽しみながら美術作品を見ること、本人の意志にもとづいて取り組むことに重きを置き、その支援を行うのが自分たちの役割であるとメンバー同士で確認しました。

やや緊張しながら臨んだ実施当日、デイサービス利用者の皆さんには、ぬり絵とカルタ、希望する内容を選んで45分程度、取り組んでいただきました。活動中はアートカードをまじまじと眺める方、若い頃の記憶を懐かしく思い出してお話しされる方、この日だけのスペシャルなぬり絵に熱中される方、さまざまでしたが、概ね楽しんでいただけたようです。ボランティアは、普段のギャラリートークのスキルを活かして利用者一人ひとりに声をかけ、発言に耳を傾け、おしゃべりに花が咲く場面も多くありました。施設職員の方々も、こちらの活動の趣旨を汲んで積極的に関わってくださり、ボランティアの手薄なところを適宜フォローしてくださいました。この場を借りて、ご協力いただいた関係者の皆さまに心より厚くお礼申し上げます。

今回の取り組みは、ひとまずこれで一区切り。今後どのように展開するかは全くの未定ですが、このような体験をきっかけに、ボランティア活動のあり方や、美術館として地域とどう関わっていくか、といった課題を積極的に考えていきたいと思います。

投稿者:3

名古屋市美術館リ・オープン!

 近頃、めっきり秋らしくなってきました。

 休館して3か月が経過、いよいよ107日から名古屋市美術館は再開館いたします。目下、再開館にむけて着々と準備を進めているところです。

  外観のタイルもキレイに貼りなおされ、もう崩れているところはありません。雨の日も安心してみなさまに美術館にお越し頂けます。

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  そして、今、まさに準備中なのが「ランス美術館展」!

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 このたび、名古屋市とランス市の姉妹都市提携が決まり、両市の友好を記念して展覧会が開催されることになりました。ランス市はフランスのパリから約140キロ北東に位置する街で、街の中心にあるノートルダム大聖堂は世界遺産に登録されているそうです。

 ランス美術館は200年以上の歴史を誇り、5万点を超える作品を所蔵しているとのこと。今回、その中から選び抜かれた約70点の名品を名古屋市美術館でご覧いただけます。

  106日のオープニングにと7日からの一般開館に向けて、展覧会の準備も佳境を迎えています。作品は無事に到着して、準備のために来日したランス美術館の学芸員とともに、開梱された作品に損傷がないかチェックしているところです。作品のチェックが終わりましたら、いよいよ展示作業に入ります。

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 展示室の壁や床も、開館当時の仕様で新しくなりました。館内に設置されているエレベーターも新しいものになりました。デジタル表示になり、音も静かです。

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みなさま、ぜひ生まれ変わった美術館で、シャンパンの街ランスからの名品をお楽しみください!!!

投稿者:hina

名古屋市図書館でランス市のPR展示が開催されています!

「姉妹都市提携応援! 名古屋市図書館ランスPR展示」

ランス美術館があるランス市と名古屋市は10月に姉妹都市提携を結ぶことが予定されています。これを記念して、名古屋市図書館全21館で、ランスやフランスについて紹介する展示が7月22日より3期に分けて順次行われています。シャンパン、大聖堂、ゴシック建築、ジャンヌ・ダルク、そしてランス美術館といったランスやフランスにまつわる話題を、各館の独自のアイデアによって取り上げています。現在(第3期)は、鶴舞中央、東、北、山田、中村、瑞穂、南陽、南、志段味で10月14日まで開催されています。

 鶴舞中央図書館では、3期に分けてランス出身の著名人の紹介や建築をテーマにした展示が行われています。現在は「ランス美術館展」に関連し、出品作家であるゴーギャンやドラクロワの画集や藤田嗣治の図録などが手に取って見られるように置かれています。2階の貸出カウンターのすぐ横にあります。

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終了した展示の様子やそこで紹介された書籍の情報が、以下の名古屋市図書館のHPにて紹介されています。ランスにまつわる情報が満載です。ぜひチェックしてみてください。

https://www.library.city.nagoya.jp/oshirase/topics_tenji/entries/20170727_04.html#chap01

ランス美術館展は、いよいよ10月7日開幕です!

ランス美術館展では、ドラクロワ、コロー、ミレー、ピサロ、ゴーギャン、藤田嗣治など、日本人にもなじみ深い作家による作品をご覧いただけます。本展は日本国内を巡回してきましたが、名古屋が最終会場。姉妹都市提携を記念して、特別に当館のみに出品される3作品も含め、名品を見るラストチャンス! 

美術館がある白川公園は、これから木々も色づき美しい季節を迎えます。ぜひご来館ください。

 

投稿者:I.

ルイジアナ現代美術館でコールダーと出会う

 デンマークのルイジアナ現代美術館に行ってきました。コペンハーゲンから電車に揺られて40分ぐらい。フレムベックの駅で降りて、静かな田舎町をしばらく歩くと、美術館に着きます。

 ちょうど、マリーナ・アブラモヴィッチの大規模な展覧会を開催中でした。

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 入口には、面白い彫刻があります。

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 入口はこぢんまりとした印象ですが、中はかなり広く、ゆったりとしています。建物全体がとても美しい美術館ですが、カフェもまた素敵です。カフェの外には広々とした彫刻庭園があり、散策にうってつけです。そして、この写真のガラス戸の向こうにちらりと見える赤い彫刻、わかりますでしょうか?

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  庭に出て見ると・・・アレクサンダー・コールダーの彫刻です。名古屋市美術館の前に立っているコールダーの彫刻と仲間のようによく似ていますね。こちらの方が、ちょっと細身な感じです。タイトルは、《Little Janey-Waney》だそうです。眼前に広々とした海を見渡せる場所に立つこの彫刻は、幸せそうに見えました。

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 展示を見て、カフェでくつろぎ、庭園でのんびりし・・・、思わず長居をしたくなる美術館。とても良い体験をしました。

  ちなみに、名古屋市美術館では、この秋、当館所蔵のアレクサンダー・コールダーの彫刻についての講座が開催されます。

 2回コレクション解析学

日時:1126日(日)午後2

演題:「新たなる彫刻の可能性」

作品:アレクサンダー・コールダー《ファブニール・ドラゴンⅡ》1969

講師:深谷克典(名古屋市美術館副館長)

定員180名、入場無料

 http://www.art-museum.city.nagoya.jp/exhibitions/kaisekigaku

 また、「アートペーパー105号」には、特集としてコールダーの作品についての記事が掲載されています。こちらも併せてお楽しみ下さい。

 http://www.art-museum.city.nagoya.jp/publish/artpaper

投稿者:AN

出前アート体験

子どもたちは夏休みですね。

 名古屋市美術館は、名古屋市の教育委員会に所属しています。教育委員会は、所属の美術館、博物館、科学館だけでなく、市立大学など市に関係のある諸団体と連携して、希望に応じて市立の小学校、中学校、特別支援学校でさまざまな分野の専門家が授業を担当する「その道の達人派遣事業」を行っています(名古屋市公式ウェブサイトhttp://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000050684.html)。

 美術館、博物館、科学館は、三者で「出前ミュージアム」というプログラムを担当しており、美術館は「出前アート体験」という名称で学芸員が授業を行っています。今年度は4つのテーマで希望を募りましたが、そのなかの1つ「アートカードで学ぼう」の授業を先日、小学校で行ってきました。

アートカードは、美術作品を絵葉書大のカードにしたもので、実物を見ることができなくても美術に親しむことができるようにと開発された教材のひとつです。名古屋市美術館は所蔵作品60点を使用したオリジナルのカードを作成しており、「アートカードで学ぼう」はそのカードを使用して授業を行います。アートカードの使い方は多様にあるため、授業を行うクラスの担任教諭などに希望した理由や狙いなどを確かめ、それに見合うように内容を用意しています。

授業では、毎回、子どもたちから新しい気づきを与えられています。先日の授業でも多くのことを教えられましたが、特に印象深かったことがらを以下に紹介します。

アートカードを用いる授業では、子どもたちに見て気づいたこと、感じたこと、思ったことを自由に話し合ってもらう時間を多く設けるようにしています。美術史の知識や事実に基づいた正しい解釈を教えることよりも、まずは興味や関心を持ってもらい、よく見ることを通して何がどのように表わされているかを自分なりにつかみ、そのことから抱いた自分の思いを美術鑑賞の出発点として大切にして欲しいと考えているからです。そんな活動のなかで、鬼頭鍋三郎の《手をかざす女》について、「津波の後の様子」と語った子どもがいました。

草原にあるコンクリート製の井戸を背にして前掛けを付けた洋装の女性が右手を額に当てて素足で立つ姿を描く《手をかざす女》は、1934年に制作されており、津波の後の光景を描いたものではありません。「働く女性」を主題に作家が文字通り「絵になる光景」を構想して作画した作品です。私はこの作品の制作背景を知っているため、このように思うことはない(なかった)のですが、以前、この作品を見て「戦後の焼け跡から復興しつつある様子」と語られた方があり、「虚心に見ればそのようにも見える。なるほど」と思ったことを記憶しています。

授業をしたのは小学校3年生のクラスです。この年代の子どもたちにとっては、先の戦争よりも東日本大震災の津波による被害が実感を伴う体験なのだと気づかされました。報道などに触れるだけでなく、名古屋市にも避難をされている方があり、身近に体験を共有する状況もあることを改めて意識させられました。

子どもたちは《手をかざす女》を覚えていてくれるでしょうか。気づいたことの遣り取りからさまざま連想し、思い思いの理解を得た子どもたちが、美術館で実作と出会い、またその時々の興味や関心から作品への理解と愛着を深めて欲しいと思います。《手をかざす女》に限らず、そうした営みが美術作品に命を与え、後世に残して行く意味をもたらすのだと思います。

《手をかざす女》については、当館ウェブサイトで、名古屋市美術館ニュース アートペーパーの第101(2016年春号)(http://www.art-museum.city.nagoya.jp/dir_Artpaper/Artpaper101.pdfを、アートカードについてはこちらのページ(http://www.art-museum.city.nagoya.jp/publish/artcard)をご覧ください。

「出前アート体験」は、当館ウェブサイトに掲載の「年報」の「教育普及事業」で、授業内容などをご覧いただくことができます。

アートカードを用いる教育プログラムは、美術館内で実施する教育事業に含まれていることもあります。興味や関心のある方はそちらにご参加ください。

投稿者:み。

休館

  名古屋市美術館は、現在、改修工事のため長期の臨時休館に入っています。

 改修工事の一番大きな部分は美術館の外側です。美術館外側の敷地内床面に敷き詰められたタイルや南側庭園の遊歩道が、長年の使用により劣化して、剥がれたり、崩れたりしているところがあり、しかも、雨で濡れると滑りやすくなるので、とても危険でした。これらの部分が全面的に改修されます。

 改修は、美術館の建物の外側だけではありません。

館内のエレベーターは、過去に故障してお客様にご迷惑をおかけしたことがありましたが、その後、修理して、点検を重ねて問題がなくなっていたにもかかわらず、動かすたびに「ガガガッ」という音がするようになっていました。その音は、大丈夫とはわかっていても、気になる人にとっては、恐怖をかきたてるものでした。原因が、長期使用による劣化だったので、今回ついに交換されることになりました。

 展示室の壁や床も改修されます。長年、作品を展示するたびごとに穴を開けられ、また展示のたびに様々な色に塗られ、そのたびごとに元の色に戻すことも含めて塗り重ねられた壁面は、あちこちボコボコと凹凸が目立ちます。そのようにボコボコになってしまった壁も貼り直されます。また、企画展示室の床も傷んだタイルだけを交換し続けてきたために、まだらな模様になってしまっていますが、それも開館当時の仕様のものでキレイに貼りなおされる予定です。

 さて、臨時休館期間に入り、改修工事を前に作品をすべて収蔵庫に撤去いたしました。

 がらんとした展示室が、どこか祭りの後のような寂しさを醸し出します。

展示室の写真1

展示室の写真2

常設展示室も空っぽです。

展示室の写真3

作品がない展示室です。もちろんお客さんも監視の方も誰もいません。

 いつもは、モディリアーニの《おさげ髪の少女》が飾られているガラスケースも空っぽです。

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特別展示室の床の写真です。全面的に汚れて傷だらけになってしまっているので、まだら模様になっていることもわかりにくいかもしれません。これも、キレイにすべて張り替えられます。

床面の写真

美術品にとって美術館は家です。

 原田マハさんの『デトロイト美術館の奇跡』という本にそういう表現がありました。2013年にアメリカのデトロイト市は財政破綻し、デトロイト美術館のコレクションを売却して負債額の返済に充てるという話が出て、美術館が存続の危機に陥るという実話をもとにした小説です。

 その小説の中である登場人物が言います。

 アートはあたしの友だち。だからDIA(註:デトロイト美術館のこと)は、あたしの「友だちの家」なの。(原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』P.73

 友だちだと思える作品を見つけられるというのは、素敵なことだなあと思いました。

 作品は、わたしたち見る人によって全然違って見えることがあります。同じ人でも、見る時の状況や感情によっても、見え方は違ってきます。時には、刺激を与えてくれたり、悩みを聞いて相談に乗ってくれたり、喧嘩したりもする友だちのように、作品と対話することで、自分の中に新しいアイディアが生まれたり、勇気をもらったりすることがあるかもしれません。

 「対話」といっても、もし作品が本当に話をはじめたら、それは心霊現象ですが(笑)。

 実際は、作品を見るわたしたちが、作品の中に自分の気持ちや感覚を投影して見ることで、自分と作品に投影された自分とが対話をして、何かを感じるということなのでしょう。

 ところで、わたしも、仕事をしている時と、作品を鑑賞している時では全然違った風に作品と対話をします。

 例えば、展示替え作業中、作品の位置を決める時。隣の作品との距離が小さい時には、

「おいおい、こんなところに置くなよ。狭苦しいじゃんか。」

「すいません。すぐ直します。」

 あるいは、壁が穴だらけで汚い時とか

「ちょっと!こんなきたねえところに展示するんかい!」

「はいはい、今は位置決めてるだけなんで、後でパテ埋めしてから展示しますんでご安心ください。」

とか。

 あるいは、展示が終わり、ライティングがうまく行った後なんかは

「わたし、今、いい状態でスポットライトを浴びてるんだから、邪魔しないでね。」

と、よそ行きの顔で言われているような気持ちになったり。

 でも、作品を鑑賞している時は全然違っています。

心惹かれる作品に出合った時に、自分だけに何かを語りかけてくれるような気持ちになったり、懐かしい気持ちを思い起こしたりすることもあります。そういう時には「友だち」に会うというのに近い感覚かもしれません。

 というわけで、これからの3か月間で行われる改修工事が、そんなわたしたちの「友だち」に出会う場をより心地いいものにすることにつながればと思います。

 10月に「ランス美術館」展とともに、再オープンする時には、名古屋市美術館は、きっとお風呂に入ってさっぱりした後のように、キレイな姿でみなさまをお迎えできるかと思います。

 改修工事のあと、またみなさまにお会いできるのを楽しみにしております~!

投稿者:hina

地球”大洗浄”

美術館の通用口を出た白川公園(遊具が設置されている方)の中に大きな地球儀があります。名古屋市美術館が建設される以前からあったような気がします。決して小さくはない球体ですが、周囲の樹々が大きくなって、奇妙なオブジェのようにも見えます。遊具でもなく、その周りを子供たちが“追いかけっこ”をする程度です。冬になれば、雪が積もり、正しく北半球は雪に覆われます。

最近、その地球儀が洗浄されました。長年積もった埃と大気に含まれるガス、さらには雨水とともに樹々から落ちた樹脂等によって、陸と海の境界も解らないほどに汚れていましたが、洗浄作業によってまるで新たな天体のようによみがえりました。大雑把に描かれた地図はそのままですが・・・。

投稿者:J.T.

びじゅつびっくりたまてばこ「イチおし!」を開催しました

6月24日土曜日に、美術を楽しむプログラム「イチおし!」を、事前に申し込みをいただき、当選した28名の小学生の皆さんを迎えて開催しました。

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まずはグループに分かれて、ボランティアの皆さんのガイドで美術館に展示されている彫刻を見て回りました。子どもたちの頭上にはボロフスキーの《フライングマン》。手足はどのように動いているかな?空を飛ぶってどんな気持ちだろう? みんなで話し合いながら観ていきました。

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そして、次に全員でゴームリーの《接近》をじっくり観察しました。床に手足を広げて寝そべる人物。頭はどんな向きかな? これまで観た作品とどこが違うかな?気付いたことを発表していきました。

そして、学芸員からこの人物は作家本人であり、「地球に近づきたい!」と思い、このポーズをしていると説明を聞きました。

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作品を見たあとは、キッズコーナーに戻り作品づくりです。「自分だったら、こんなポーズで地球にくっつきたい!」として大きな白い紙の上で、寝そべったり、横を向いたり、手を後ろに座ったり、思い思いにポーズをとり、鉛筆で型を取り、色鉛筆で描いていきます。ポーズをとった自分を上から見た様子を想像したり、手を伸ばしている姿を描いたりと、“地球に接近するもう一人の自分”を描き出していきました。なかにはさらにイメージを膨らませて、「近づきたい!」と思った地球の場所や様子を描き加えた子どもたちもいました。

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最後に、出来上がった作品をみんなで見て回りました。すてきな作品を描いてくれた皆さん、ありがとうございました。

 『びじゅつびっくりたまてばこ』の次のプログラムは1126日(日)に「まるごと玉手箱」を予定しています。1031日(火)まで往復はがきで申し込みを受け付けています。ご参加をお待ちしています!

ご案内はこちら→ 

http://www.art-museum.city.nagoya.jp/exhibitions/kidsprogram/bbt2017

投稿者:I.