藤田嗣治の絵画《二人の祈り》《夢》を、8月1日(木曜)より常設展示室で公開します

6月21日(金曜)、オリエンタルビル株式会社取締役社長の平松潤一郎様より、藤田嗣治の絵画《二人の祈り》《夢》をご寄贈いただき、名古屋市役所において作品寄贈式が行われました。

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あわせて、河村たかし名古屋市長から、ご寄贈に対する市長感謝状が平松様に贈呈されました。

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今回ご寄贈いただいた2点は、ともに令和元年8月1日(木曜)から令和2年3月1日(日曜)までの間、当館常設展示室にてご覧いただけます。是非お越しください。
(令和2年3月2日以降の展示については未定です)

美術をたのしむプログラム「イチおし!-スペシャルぬり絵編-(6/9)」実施報告

 名古屋市美術館では、作品をただ見るだけではなく、さまざまな方法でアプローチすることで美術や美術館に親しみをもっていただくことを目的に、主に小中学生(とその保護者)を対象とした「美術をたのしむプログラム」を年34回実施しています。

 69日(日)には、令和になって初めてのプログラム「イチおし!-スペシャルぬり絵編-」を実施、小学4年生から大人まで26名の方が参加しました。

 参加者には、所蔵作品をもとに当館学芸員が作成した特製のぬり絵に取り組んでもらいます。今回は荻須高徳《サン=ドニ河岸》とルフィーノ・タマヨ《乗り遅れた乗客》、2種類を用意しました。

 まず、参加者全員でまだ色のついていないぬり絵の図柄をよく観察します。何が描いてあるだろう?どんな場面だろう?

「並木道の木の枝に葉っぱが全然ないから、季節は冬だと思う」など、輪郭線だけの絵からも読み取れる情報はある反面、色がないために分かりづらいことも多いと気づきます。実際の作品はどんな色づかいか、テーブルごとに想像し話し合ってから、展示室へ作品の確認に向かいました。

写真1_作品鑑賞中

「空はきっと晴れてて青だと思ったけど、本物の絵の空はグレーで薄曇りだった」

「建物の壁を表す色がちょっとずつ違っていて、思っていたより複雑だった」

「人の肌の色が緑で塗ってあって、びっくりした」

など、自分たちの予想との違いに驚いた参加者から、たくさんの意見が出ました。

なかには「色が付いて少しは分かったところもあるけど、やっぱりよく分からない絵だと思う」という率直な声もありました。

 作業用テーブルに戻ってからは、色鉛筆の握り方や動かし方を確認し、少しだけ彩色の練習をしました。左から右へ行くに従って、段階的に色が濃くなるように4つのマスを塗り分けるというものです。たった1色でも濃さを変えることで色数を増やせること、混色など複数の色を組み合わせるときにも応用できることを体験しました。

写真2_力加減の練習

 その後、2種類から取り組みたい作品を選び、いよいよぬり絵開始。本物の作品そっくりに色付けする、自分で考えてオリジナルの彩色を施す、どちらの塗り方でもOKとし、元の作品が気になったら展示室へ何度も確認しに行っても良いことにしました。隣り合う色の組合せや、混色の仕方などを考えながら少しずつ丁寧に塗っていく姿は、真剣そのもの。参加者は大勢いるのに、会場はとても静かでした。

写真3_ぬり絵作業中

写真4_みんなぬり絵に熱中

 約1時間後、完成した人もそうでない人も一緒に、各自のぬり絵を鑑賞し合い、それぞれに工夫したところ、難しかったところ、ぬり絵をしながら気づいたことなどを発表・共有しました

「地味な絵でも、何度も見るうちに、実はたくさんの色が使ってあることに気づいた」

「色を混ぜるのが難しかったけど、自分の思い通りの色が出来ると嬉しかった」

「こういう風にしたい、と思って色を選んで塗ってるのに、なかなかイメージ通りにならなくて難しかった。絵描きの人はすごいと思った」

など、参加者がこの日の経験から感じたことをたくさん聞くことができ、スタッフとしても嬉しかったです。

 最後に、お持ち帰り用のファイルにぬり絵を挟んで終了、解散としました。 

 今回のプログラムは大変たくさんのお申込みをいただいたため、抽選となりましたが、開館日の土日および祝休日には「コレクションをぬり絵でたのしむ」という自由参加のプログラムを別途開催しています。お一人様1枚、1日先着30名で年齢制限はなく、個々人のペースでぬり絵を楽しんでいただけます。常設展にお越しの際にお時間がありましたら、ぜひ挑戦してみてください。(3)

特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」閉館後の展示室内での特別鑑賞会「クラシックの夕べ」

  5月18日(土)17時より、閉館後の特別鑑賞会「クラシックの夕べ」(事前申込制)を開催しました。

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 はじめに、学芸員が、講堂でスライドを使って、展覧会の見どころを解説しました。

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 展示室内でモネの「サン=ジェルマンの森の中で」「睡蓮」を背景に、セントラル愛知交響楽団の演奏をお聴きいただきました。 

 ヴァイオリン奏者は、吉岡秀和さん、ハープ奏者は、神谷知佐子さん、ナビゲーターは、山本雅士さん(セントラル交響楽団音楽主幹)です。 

 名画を前に、美しい演奏に魅了されたひとときとなりました。

 アンコール曲は、「亜麻色の髪の乙女」(ドビュッシー)で、会場内からの大きな拍手で演奏が終わりました。

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 最後に、美しい演奏の余韻に浸りながら、学芸員のギャラリートークもあり、時間まで名画をたっぷりと鑑賞していただきました。

 名古屋市美術館の特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」は、5月26日(日)まで開催しておりますので、是非、お越しください!

特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」アートトーク

4月21日、中区役所ホールにおいて、編集者・評論家の山田五郎氏を講師にお迎えして、「吉野石膏コレクションの楽しみ方」をテーマに、特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」の関連事業「アートトーク」を開催しました。

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事前申込制の講演会で、定員約500人のところ、応募が、1500人を超えたため、抽選をさせていただき、当選の方にご参加していただきました。

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山田五郎さんからは、「印象派とは何か」「古典主義」「ロマン主義」そして、「エコール・ド・パリ」まで、盛りだくさんのお話が、会場内が時に笑いに包まれるなど、とても楽しい講演会となりました。

名古屋市美術館の特別展「印象派からその先へー世界に誇る吉野石膏コレクション」は、5月26日(日)まで開催しておりますので、ぜひ、お越しください。

 

 

 

 

 

 

 

 

特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」開会式及び内覧会

4月8日、特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」の開会式及び内覧会が行われました。

 

開会式には、主催者の名古屋市美術館、中日新聞社、日本経済新聞社、テレビ愛知及び共同通信社の関係者の他に、ご来賓として、吉野石膏株式会社名古屋支店長、公益財団法人吉野石膏美術振興財団事務局長、公益財団法人山形美術館館長にご臨席いただきました。

 

当日は、天候に恵まれたこともあり、大変多くの方にご来場いただき、内覧会は大いに賑わいました。

    

吉野石膏株式会社及び吉野石膏美術振興財団が所蔵する、19・20世紀フランス絵画及び近代日本画の作品群「吉野石膏コレクション」。山形美術館に現在は寄託されているそれらの中から、このたびはミレー、モネ、ルノワール、ゴッホ、ピカソ、シャガールなど、西洋近代美術の傑作をまとめて紹介する、中部地方では初めての展覧会です。

本展は、5月26日(日曜日)まで開催いたします。是非名古屋市美術館にお越しください。

真島直子さん、愛知県芸術文化選奨文化賞受賞

昨年の3月3日[土]から4月15日[日]までの会期で特別展「真島直子 地ごく楽」を名古屋市美術館が開催した真島直子さんが、平成30年度の愛知県芸術文化選奨文化賞を受賞しました。

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「真島直子 地ごく楽」展B2ポスター

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「真島直子 地ごく楽」展B3ポスター

愛知県芸術文化選奨は、芸術文化の各分野において向上発展に貢献し、業績が顕著な個人および団体を表彰することにより、愛知県の芸術文化の振興を図ることを目的としています。平成19年度からは文化賞と文化新人賞の2種類となっていますが、昭和52年度から平成29年度までの受賞者には、名古屋市美術館の作品収蔵作家も少なからず含まれています。

昨年度の文化賞受賞者の一人は奈良美智さんでしたが、真島さんの文化賞受賞は、現代美術としては奈良さんに続く二人目、女性作家では初となります。

長年にわたる活動が評価されたことを喜ぶとともに、作家の活動を広くみなさまに紹介する機会が持てたことを名古屋市美術館としても嬉しく思います。

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「真島直子 地ごく楽」展 会場風景

投稿者: み。

フリーダ・カーロ《死の仮面を被った少女》はボストン美術館に展示中です

ホームページですでにお知らせしましたが、フリーダ・カーロの《死の仮面を被った少女》は、現在、アメリカのボストン美術館の企画展「Frida Kahlo and Arte Popular (フリーダ・カーロとメキシコの民芸)」展に展示中です。フリーダ・カーロは、メキシコの伝統的な文化を伝える民芸品、衣装に強い関心を寄せ、収集していました。この展覧会は、フリーダ・カーロがこうしたメキシコの民芸からどのように影響を受け、作品制作の着想を得ていたかを探る展覧会です。

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作品は専用の輸送箱に入れ、早朝当館を出立し、成田から空路でボストンへ。およそ1日かけて運びました。展示の際には、油彩画、額の修復を専門としている二人の職員と作品が無事に到着したことを一緒に確認。そして、しっかりと壁に設置しました。隣には、作品に描かれている仮面と同様のジャガーの仮面が展示されています。展覧会は6月16日まで開催されています。

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ボストンの2月はまだまだ冬。街も雪景色でした。そんな季節にボストン美術館では、「Ansel Adams in our time (今の時代におけるアンセル・アダムス)」という大規模な展覧会が開催されていました(2月24日終了)。アダムスは、ヨセミテをはじめアメリカの美しく広大な自然をとらえた写真で知られ、日本にもファンが多い作家ですが、このたびはアダムスが撮影した作品とその後の写真家たちの活動との関連・影響を探る展覧会でした。会場を出たところには記念撮影ができる場所が設けられており、またヨセミテのライブ映像が見られるスポットもありました。

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I.Mペイの設計によるボストン美術館西館は天井が高く、気持ちのよい空間です。そこにはどこかで見たような作品が・・・。名古屋市美術館にて展示している《フライングンマン》を制作したジョナサン・ボロフスキーの作品です。ボロフスキーはボストン出身のアーティストで、ボストン美術館内にも「数人」が飛んでいました! (I.)

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春の足音

 

立春が過ぎ、歴史的大寒波を乗り越えて、ようやく梅の咲くころとなりました。陽射しも日に日にあたたかくなって、ああもう春が近いんだな、と感じる今日このごろです。

私にとってこの季節は、春の足音とともに、色々な締切の足音が同時に聞こえてくる季節です。というのも、たまたまではありますが、これまでにも4月はじまりの展覧会を担当することがなぜか多かったからです。

展覧会のオープンに向けて、カタログの校正作業をしたり、展示室内のディスプレイの計画を立てたり、さまざまな広報物のチェックをしたりと、するべきことが増えていきます。ただ忙しくなる、というわけではなくて、少しずつ展覧会の完成形が見えてくるので、大変だけれどわくわくする時間でもあります。少々語弊があるかもしれませんが、3か月間毎日前夜祭をしているような感覚です。

ただいま、「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」展(4月9日[火]開幕)を準備中です。本展の中心となる印象派の作品には、明るい色彩に満ちたおだやかな風景画がたくさんあり、眺めているだけで春らしい気分を味わえます。本展の看板をはっているのは、ルノワール作《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》(1887年)。10歳のあどけない女の子ですが、どこか意志の強さを感じさせる青いひとみが印象的です。デスクの前に貼ったポスターから、シュザンヌがこちらをじっと見つめてくるので、ああ、今日中にあれもこれも確認しなきゃ、メールも返さなきゃ、と焦りながら仕事をしています。開幕まであと少し。多くのお客さまにご覧いただける展覧会になることを祈っています。(haru)

 

ピエール・オーギュスト・ルノワール《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》

1887年 パステル/紙 吉野石膏コレクション

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名古屋市美術館開館30周年記念特別展「辰野登恵子 ON PAPERS:A Retrospective 1969-2012」開会式・内覧会

2月15日、名古屋市美術館開館30周年記念特別展「辰野登恵子 ON PAPERS: A Retrospective 1969-2012」の開会式及び内覧会が行われました。

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開会式には、主催者の名古屋市美術館及び中日新聞社の関係者の他に、辰野登恵子様のお姉様である平出利恵子様と、姪御様の平出加菜子様にご臨席いただきました。

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当日は、晴天に恵まれたこともあり、大変多くの方にご来場いただき、内覧会も賑わいました。

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辰野登恵子(1950-2014)は、長野県岡谷市に生まれ、日本の現代美術における絵画の潮流に影響を与えた画家のひとりです。東京藝術大学に学んだ後、1970年代にドット(点)やグリッド(格子)、ストライプなどの規則的なパターンを用いた版画を発表し、若くして注目を集めました。ほどなくして表現手法を油彩に移すと、それまでの理知的で抑制された表現とは対照的に、豊かな色彩で有機的な形象のある絵画空間を追い求め、亡くなるまで自らの作品世界を深化させ続けました。1995年には東京国立近代美術館で当時最年少、かつ存命の女性作家として初めての個展を開催しています。

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今回の展覧会では版画やドローイングなど紙の上の表現に光を当て、大型の油彩が高く評価された辰野の画業を再検証します。初期のシルクスクリーンによるコンセプチュアルな作品に限らず、油彩の制作を本格的に始めてからも、彼女はそれと並行してエッチングや木版、リトグラフなどさまざまな版種による版画制作に取り組んでいました。油彩での試みを版画で追体験する、あるいは版の仕事での成果を油彩に反映させるなどの往還によって、辰野が創作の幅や深みを増していったことが想像できます。また、油絵具やパステルによる大型のドローイングは、単なる下絵の域を超え、画家にとって重要な実験の場となっていたこともうかがえます。

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画家の死後、初めて巡回開催される回顧展でもある本展は、これまでまとまった展観の機会が限られてきた紙の仕事を中心に、油彩30点を含む約220点の作品で構成します。辰野登恵子の40年余りにわたる軌跡に新たな視座を与えてくれるはずです。

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本展は、3月31日まで開催いたします。是非名古屋市美術館に足をお運びください。

名古屋市美術館開館30周年記念特別展「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」開会式

2月7日、名古屋市美術館開館30周年記念特別展「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」の開会式及び内覧会が行われました。

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開会式には、主催者の名古屋市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会及び中京テレビ放送の関係者をはじめ、展覧会開催にあたってクーリエとして協力をいただきましたヴィトラ・デザイン・ミュージアムのベルンハルト・ニッケル様にご臨席いただきました。

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当日は、木枯らしの吹く寒い日となりましたが、大変多くの方にご来場いただき、内覧会も賑わいました。

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アルヴァ・アアルトは、北欧・フィンランドが生んだ建築家であり、木やレンガなどの素材を生かし、周囲の自然環境との調和を図る建築で知られています。

彼は建築のみならず、デザイナーとしての手腕も発揮しており、この展覧会では、模型や図面のほか、ドアの取っ手や家具、照明、ガラス器までデザインしたアアルトの温かみある作品を紹介しています。

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本展では、アアルトがデザインした椅子などを触ったり、座ったり、記念撮影できるコーナー「ウスタヴァコーナー」を設けましたので、アアルトのデザインの素晴らしさを体感してください。

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また、地元の大学生たちが制作したアアルト設計の図書館の模型も展示しておりますので、こちらも是非ご覧ください。

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本展は、来年2月3日まで開催いたします。是非名古屋市美術館に足をお運びください。